平成30年北海道胆振東部地震・全道停電
延泊の料金は「ちょうだいしない」と
社長判断 寮住まいのスタッフもホテルへ
40代 男性 宿泊施設支配人
9月5日の宿泊者数は300人弱で、そのうち6日まで連泊予定のお客様もいらっしゃいました。連泊の海外からのツアー客は、「せっかく来たので、とりあえず行ってみる」と、何ごともなかったように観光へ出かけて行きました。夕食時に話を聞くと「行きたいところは行けなかったけれど、景色を見て楽しんだ」とのことでした。
帰るすべがなく、2泊することになった団体客もありましたが、代金はいただきませんでした。その日のうちに、「やむをえない形で2泊以上に延びたお客様の代金は、ちょうだいしない」との社長判断が出されたからです。お客様からは、「この状況でよくやってくれた」という感謝の言葉をいただきました。
食材は、地震前日のうちに冷凍庫から冷蔵庫に移してあったのから使い、その後も、傷みの早いものから優先的に解凍するなどの工夫をし、バイキングではなく弁当形式で食事を提供していました。
従業員寮の電気もつかず、食事の支度もままならない状況でしたので、お客様の食事と同時に、働いている100人強の従業員、パート、派遣スタッフにも、食事を提供。希望する従業員には、宿泊施設の客室を使ってもらうことにしました。電話などで連絡が付かないので、幹部が分担して寮を回って、そのことを伝えました。
調理場は数日間、洗い物ができずにたまっていたので、復旧に何日かかるかと心配しましたが、調理場総動員で、洗い物と滅菌を一日でがんばって終わらせてくれたので、停電復旧の翌日から営業が再開出来ました。