平成30年北海道胆振東部地震・全道停電
イタリアからLINEで夫とやり取り
「帰ってもしょうがない」と言われ、ツアー続ける
60代 女性 ガイド
地震が起きた時、私は、火山の国際会議に出席するため、イタリアにいました。夫からは、「地震でこういう状況になったよ」と携帯電話のLINEで連絡が入り、それを追いかけるように、東京に住む息子と、神奈川に住む娘からLINEが来ました。
離れて住む子ども達には、私がイタリアに行っていることを知らせていなかったので、「えっ!」と驚いてました。私は、あたふたしてしまって、「帰った方が良いかな?」と夫に相談すると、「帰ってもしょうがないからそのままいなさい」と言われ、帰国しませんでした。
ネットには、“本当かな?”という情報が飛び交っていたので、東日本大震災で帰宅難民も経験していた息子が心配して、同居していた母を「フェリーで避難させて」と言ってきたそうです。夫が息子と娘の三人で、どうしようかとLINEで話し合って、「数日で落ち着くから」と、行かせないことに。夫は、キャンピングカーでスマホの充電もできたし、食料のストックもあったので、それほど切羽詰まった状況ではなかったんですね。
停電が収まってから帰国したのですが、「おかえりなさい」というだけで、苦労話をされることはなく、母も別にどうってことないという顔をしてました。