防災リーダーと地域の輪 第60回



「だんじり祭」の組織とネットワークを活かした避難計画を策定
大阪府岸和田市畑町自主防災会 田口陽佑会長

 大阪府岸和田市畑町は住宅地と農地が混在する地域で、2026年4月現在で約1300世帯、3000人弱が暮らしています。近年では町内会への加入率が低下しており、過去に大きな災害に見舞われた経験がないことから、災害時に備えた情報共有や避難時の対応などが課題となっていました。一方、岸和田には地域に根づく「だんじり祭」の存在があり、畑町でもだんじり(地車)の曳行を行うことから、地域の結びつきには強みがあります。

 だんじり祭は青年団(主として20代)、「十五人組」(同30代)、若頭(同40代)、そして世話人(同50代)など、世代ごとの役割分担により運営されています。こうした仕組みに加え、町会や水防団、老人クラブ、婦人会など既成の組織やネットワークを生かしているのが畑町自主防災会の大きな特長です。

 従来、岸和田市の自主防災会は消防本部の管轄で、主として消火栓操法などを実施する消防団的な組織でした。それが2014年から危機管理課の管轄に移り、防災福祉コミュニティとして運営されるようになりました。

ワークショップの様子(田口さん提供)

ワークショップの様子(田口さん提供)

 「防災に力を入れるといっても、何から手をつければいいのかわからない状態でしたが、2023年に内閣府のモデル事業に応募して、専門家の先生の指導を受けながら地区防災計画づくりに取り組むことになりました。ワークショップを重ねることで災害時の役割分担を整理していきました」(田口さん)

 地区防災計画には、発災時に各世帯の住戸前に目立つ色の「無事ですタオル」を掲出することによる安否確認や、町会の下部組織である隣組単位での避難、状況に応じた近隣の隣組との連携などが規定されており、毎年12月にこれに基づいた防災訓練を実施しています。

 一方で、この地区防災計画はまだ完全ではないといいます。

 「避難計画まではできあがっていますが、実際に避難した先での役割分担などについてはまだ定められていません。指定避難所は、私たちだけでなく4町の自治会で使うので、役割分担等については、他の町会も合わせて横断的に決める必要があり、現在はその調整を行っているところです。地区防災計画としてはそこまでできてはじめて完成すると考えています。また、近年ではだんじりの曳行もオープンになりつつあり、もともとの畑町の住民で、結婚や就職等で町を出た人でも祭の時は畑町のだんじりを曳くことができるようになりました。そのため組織としての結びつきはあっても、必ずしも畑町に住んでいないというケースも出てきてしまいます。避難計画を機能させるためにも町会の加入者をもっと増やしていきたいと思っています」(田口さん)

防災訓練時に実施した講演会の様子(田口さん提供)

防災訓練時に実施した講演会の様子(田口さん提供)



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内閣府政策統括官(防災担当)

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