危険な暑さを事前に知らせるための「熱中症警戒アラート」を全国で運用開始
〈環境省 大臣官房環境保健部環境安全課 水・大気環境局大気環境課大気生活環境室〉
近年、気候変動の影響等により夏季における熱中症による救急搬送者数が急増し、様々な場面において幅広い年代層で熱中症が発生しています。特に、平成30年度の酷暑の際には夏季の熱中症による救急搬送人員数は約9万5千人、死者は約1500人に達し、「災害級」とまで言われました。今後の気候変動の影響を考慮すると、状況はますます悪化していくと懸念されることから、社会全体で熱中症予防対策に取り組むことが必要です。
このような現状を踏まえ、政府として熱中症対策を一層進めるため、「熱中症対策推進会議」を設置し、令和3年3月に「熱中症対策行動計画」を策定しました。
熱中症対策行動計画では、「熱中症による死亡者数ゼロに向けて、できる限り早期に死亡者数年1000人以下を目指し、顕著な減少傾向に転じさせる」という中期的な目標を掲げています。目標達成に向けて、例年7月に実施してきた熱中症予防強化月間を、令和3年度から「熱中症予防強化キャンペーン」(毎年4月~9月)と銘打ち、各府省庁と連携した取組や地方自治体等の地域との連携を強力に展開しております。
まず、熱中症対策の基本となる、熱中症の危険度を示す「暑さ指数(WBGT)」の予測値・実況値を今年度も4月から、環境省熱中症予防情報サイトにおいて情報提供しております。
暑さ指数とは、人間の熱バランスに影響の大きい①気温②湿度③輻射熱(日射しを浴びたときに受ける熱や、地面、建物、人体などから出ている熱)の、3つを取り入れた指標です。この「気温、湿度、輻射熱」の要素のうち、「湿度」の影響が約7割と言われています。だからこそ、猛暑日は勿論、湿度が高い日も熱中症に注意が必要です。
次に、熱中症のリスクが極めて高いと予測される際に発表される「熱中症警戒アラート」を昨年度の試行を経て、令和3年4月より全国で開始しました。
暑さ指数が33以上になると予想される場合、環境省と気象庁が熱中症警戒アラートを発表し、報道機関のニュースでも報道されます。熱中症警戒アラートが発表された場合は、不要不急の外出は避け、普段以上にこまめな水分補給や暑さを避ける等の熱中症予防を徹底してください。また、お年寄りや子供、持病のある方は熱中症になりやすいため、十分に注意し、周囲の方からも積極的な声かけをお願いします。
また、夏シーズンの前にエアコンの試運転を実施しましょう。
熱中症は適切な予防行動を行うことで防ぐことができる病気です。本格的な夏を迎える前から、熱中症の予防に心がけてください。
〈参考情報〉
環境省熱中症予防情報サイト
熱中症警戒アラート(ポスター)
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/20210315_alert_poster.pdf
夏季を迎える前のエアコン試運転の重要性について
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/air_conditioner/maintenance.html
経済産業省X(エアコンをつけると「あれ!?故障?」)
https://x.com/meti_NIPPON/status/1382529113387196419