防災の動き



「消防団員の処遇等に関する検討会」中間報告書及び消防庁長官通知について
〈消防庁国民保護・防災部防災課地域防災室〉

1 消防団について

 消防団は、消防本部や消防署と同様に、それぞれの市町村に設置される消防機関です。地域における消防防災のリーダーとして、平常時・非常時を問わずその地域に密着し、住民の安全と安心を守るという重要な役割を担っています。消防団員は、普段は他の本業を持ちながら、地域の安全・安心の確保のために、「自らの地域は自ら守る」という精神に基づき、消防防災活動を行っています。

 しかしながら、消防団員数は、令和2年4月1日時点で約81万8千人と、2年連続で1万人以上減少し、特に20代の消防団入団者数が10年間で約4割減少するなど、危機的な状況となっています。

 一方で、近年、特に風水害を中心とする災害が多発化・激甚化する中、消防団に求められる役割は多様化・複雑化しており、消防団員一人ひとりの負担も増加しています。

 こうした消防団員の労苦に報いるため、消防庁では、昨年12月に有識者による「消防団員の処遇等に関する検討会」を立ち上げ、消防団員の適切な処遇のあり方や消防団員の加入促進等について検討を行っているところです。

近年の消防団員数及び入団者数

2 「消防団員の処遇等に関する検討会」中間報告書について

 3月までの検討会において、特に、火災・風水害などの出動に応じて支払われるいわゆる「出動手当」と、出動とは別に消防団員に対し年額で支払われるいわゆる「年額報酬」について深く討議し、4月9日に、検討会において中間報告書が取りまとめられました。

「消防団員の処遇等に関する検討会」中間報告概要

3 消防庁長官通知について

 この中間報告書を踏まえ、消防団員の報酬の基準や必要な条例改正などを、この基準の適用日である来年4月1日までに各市町村において行っていただくことなどを内容とした通知を、4月13日に消防庁から全国の地方公共団体あてに発出しました。

 今回定めた基準の主な内容は、

  • 報酬の種類を、年額報酬と出動報酬の2種類とすること
  • 年額報酬の額は、「団員」階級の者については36,500円を標準額とすること
  • 出動報酬の額は、災害(水火災・地震等)に関する出動については1日あたり8,000円を標準額とすること
  • 報酬等は、団員個人に対し、活動記録等に基づいて市町村から直接支給すること

などです。

 また、消防団員数の確保のためには、報酬などの改善のほか、広報の充実や訓練のあり方などについても改善が必要であるため、引き続き精力的に検討を続け、今年の夏頃に、最終報告書をまとめていきたいと考えています。

「消防団員の報酬等の基準の策定等について」のポイント(令和3年4月13日付消防庁長官通知)


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