消防団を中核とした地域防災力の充実強化
〈消防庁国民保護・防災部地域防災室〉
1. はじめに
南海トラフ地震や首都直下地震の発生確率が高まっているなど、いつでもどこでも大きな災害が起こりうる時代になっており、地域 防災力の一層の充実を図る必要があります。こうした現状を踏まえ、本稿では、消防庁における地域防災力の充実強化のための最近の主な取組みを紹介します。
2.地域防災力の一層の充実強化
地域防災力の一層の充実強化を図るため、平成31年4月26日に、石田真敏総務大臣から都道府県知事と市町村長に対し、書簡を発出しました。
当該書簡は、
- 将来の人口や災害発生の見込み等を踏まえ、地域防災力の充実強化をどのように図っていくかを、地域の方々とともにしっかり議論すること
- 地域防災力の中核を担う消防団が将来の地域で果たす役割等に関する検討を行い、消防団の体制の目標を定量的に設定した上で充実強化すること
- 消防団員の確保に向けた取組みを引き続き推進すること
3. 消防団の災害対応能力向上のための国庫補助金の創設
近年、災害が多様化・大規模化しており、地域防災力の中核的存在として、消防団が果たす役割はますます大きくなっています。
そこで、消防庁では、消防団の災害対応能力の向上を図るため、平成30年12月14日に閣議決定された「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」として、国庫補助金(正式名称:消防団設備整備費補助金(消防団救助能力向上資機材緊急整備事業))を創設しました。
この補助金の補助対象資機材は、AED、油圧切断機、エンジンカッター、チェーンソー、ジャッキ及びトランシーバーであり、こうした資機材の配備を促進しています。
そのほか、消防庁では、地域防災力の充実強化に向けた気運の醸成を図るため、「地域防災力充実強化大会」(本年度:10月開催予定)や「地域防災力向上シンポジウム」を(本年度:11月以降3回開催予定)地方公共団体と共同で開催しています。詳細については、今後、消防庁HP等でお知らせいたします。

地域防災力向上シンポジウム (平成31年2月3日(日)、静岡市)
