「日本一」の温泉を育む山
秋田焼山(標高1366m)は秋田県鹿角市と仙北市の境にある直径7㎞の火山である。山頂の中央部には直径約600mの火口があり、溶岩ドームが形成されている。湯沼、空沼といった火口湖があり、山頂付近では噴気活動も見られる。
有史以降、秋田焼山では水蒸気噴火が断続的に発生している。1949年に空沼で起きた水蒸気噴火では、火砕物が降り、泥流が発生した。1986年には火山ガスを吸った観光客1名が死亡している。
1997年5月には秋田焼山の北東約4㎞にある澄川温泉の裏山で地すべりと水蒸気爆発が発生し、宿泊施設が破壊された。この時に発生した土石流により、下流にあった赤川温泉の宿も流されている。幸い、宿泊客や従業員は事前に避難していたため、全員無事であった。同年8月には、空沼で水蒸気噴火があり、泥流が発生している。
2011年3月の東日本大震災の直後には、山頂の南南西約10㎞で地震活動が活発化した。
秋田焼山の周辺には多くの温泉がある。西麓の玉川温泉は1カ所から毎分9000リットルという日本一の湧出量と、日本一の強酸性の温泉水を誇っており、病後の療養や治療目的で長期滞在する湯治客も多く、岩盤浴場がある温泉としても有名である。
火山噴火予知連絡会により活火山に指定されている。気象庁により噴火予報 (噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が発表中である(平成28年6月25日現在)。