特集1 平成28年熊本地震‐内閣府防災情報のページ

特集1 平成28年熊本地震

熊本地震の概要

地震の概要

4月14日21時26分、熊本県熊本地方においてマグニチュード6.5の地震が発生し、熊本県益城町で震度7を観測しました。また、16日1時25分にはマグニチュード7.3の地震が発生し、益城町及び西原村で震度7を、熊本県を中心にその他九州地方の各県でも強い揺れを観測しました。震度7の地震が同一地域で連続して発生するのは震度7が設定された1949年以降初めてのことです。これらの地震だけでなく、その後も熊本県から大分県にかけて地震活動が活発な状態となり、7月14日までに、震度7を2回、震度6強を2回、震度6弱を3回、震度5強を4回、震度5弱を8回観測するなど、震度1以上を観測した地震は合計1888回発生しました。地震発生から2ヶ月程度経過した6月中旬にも、震度5弱の地震が発生(6月12日)するなど地震活動は継続しています。

熊本県のシンボル「熊本城」も大きな被害を受けました

被害の概要

熊本地震の人的被害は、7月14日時点で、死者55人、負傷者1814人。熊本県内では、地震後には18万人を超える方々が避難し、7月13日現在も約4700人の方々が避難生活を送っています。物的被害は、全壊約8300棟、住家被害計が16万棟。加えて、最大約45万戸断水、約48万戸停電、約11万戸ガス供給停止となり、交通網も道路・鉄道・空路が一時不通になるなど、大きな被害が発生しました。


  • 益城町では約三千件の家屋が全壊と判定されました。

  • 地震による大規模な土砂崩れで阿蘇大橋が崩落し、死者も発生しました。

政府の対応

対応体制

政府は、4月14日21時26分の地震発生直後に総理官邸に官邸対策室を設置し、緊急参集チームを招集しました。また、総理大臣から、「①早急に被害状況を把握すること、②地方自治体とも緊密に連携し、政府一体となって、災害応急対策に全力で取り組むこと、③国民に対し、避難や被害等に関する情報提供を適時的確に行うこと」との指示がありました。22時10分には、内閣府に河野防災担当大臣を本部長とする非常災害対策本部を設置し、22時21分に総理大臣出席の下で第1回非常災害対策本部会議を開催しました。

さらに、現地の被害状況を詳細に把握するため、23時25分に内閣府情報先遣チームを熊本県庁へ派遣し、翌朝15日に松本内閣府副大臣を本部長とする非常災害現地対策本部を設置しました。国・県合同災害対策本部会議を重ねて開催するとともに、政府の非常災害対策本部に、テレビ会議を通じて県知事や現地対策本部長も参加し、地方自治体と一体となって応急対策を進めてきました。また、17日には熊本地震被災者生活支援チームを立ち上げ、被災者の方々の多様なニーズに基づいた生活支援を行いました。

非常災害対策本部会議を、総理出席の下、連日開催しました。

物資供給

16日1時25分の地震発生後は、テレビ会議で大臣と県知事が会談し、現地の被害状況を確認するとともに、県知事から、物資供給についてマネジメントを含めて国で行うこと等の要望を受けました。このことを踏まえ、5時に内閣府に物資調達・輸送班を設置し、関係省庁が集まり一元的な調整を行い、被災地の要望を待たずして物資を調達・搬送するプッシュ型物資支援を初めて実施しました。物資の受入、各市町村・避難所への配送にあたっては、計画で位置付けられていた県施設が被災のため使用できなかったため、福岡県久山町や佐賀県鳥栖市に所在する民間の流通センターを活用し、物流事業者・自衛隊等の協力を得るなどの工夫により搬送を行いました。4月17日から25日までで、食料約204万食、下着・マスク・トイレ関連用品等の多数の生活用品を供給しました。

その後、タブレット端末等を活用し、避難者の多様なニーズに合わせ、4月26日から5月6日までで食料約59万食等を供給しました。また、民間企業やボランティア団体を中心とした物資支援も見られました。


  • 関係省庁・自衛隊・物流業者等が協力してプッシュ型物資支援を行い、各避難所へ物資を輸送しました。

  • 佐賀県鳥栖市の流通センターでは、全国から搬入された食料を仕分けし、避難所等へ発送しました。

避難者支援

熊本地震では多数の被災者が避難し、地震後の16日朝には避難者数が18万人に上りました。

これらの方々が避難された避難所については、被災自治体において避難所運営担当者等が直ちに活用していただけるよう、「避難所運営ガイドライン」、「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」、「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」の3つのガイドラインを公表するとともに、簡易ベッドやパーティションの設置、冷暖房機器の設置などの避難所の環境整備を求める通知等を被災自治体に発出し、避難者が少しでも快適に安心して避難所生活を営めるよう努めてきました。

住家を失った被災者のための住まいの確保に関しては、4月29日に西原村において応急仮設住宅が着工され、7月14日現在、16市町村において3631戸が着工されています。6月5日には甲佐町で入居が開始されました。民間借上げ型の応急仮設住宅(いわゆるみなし仮設)についても、熊本県からの要請を受けた不動産業界団体等が民間賃貸住宅4989戸を提供しているうち、対象者には応急仮設住宅として提供しています。

なお、熊本地震においては、強い揺れが継続して発生し、車中で寝泊まりする被災者が多くみられました。また、発災から一ヵ月以上が経っても地震が収まらないというこれまで経験したことのない特異な状況が続いていることから、応急仮設住宅の提供についてもできる限り柔軟な対応を行っています。


  • 河野大臣は5月5日に益城町の避難所を訪問しました。

  • 避難所では、簡易ベッドやパーティション、空調等を導入し、生活環境を改善しています。

復旧・復興

被災地の復旧に向けた動きとして、政府はまず、4月25日に今般の災害を激甚災害に指定し、地方公共団体に対する特別の財政援助(被災自治体が行う災害復旧事業に対する国庫補助の嵩上げ等)を講じることとしました。

続く5月10日には、「大規模災害からの復興に関する法律」上の「非常災害」として指定し、被災地方公共団体が本来施行することとなる災害復旧事業等を、国又は都道府県が代行できるようになりました。本法に規定する「非常災害」としての指定は、今回の熊本地震が初めてとなります。

さらに、被災地の復旧を確実なものとするため、平成28年度補正予算を編成し、「熊本地震復旧等予備費」を創設しました。この補正予算を活用して、当面の復旧対策に万全を期すこととしております。

今般の災害からの復旧・復興を迅速かつ強力に進めるため、平成28年熊本地震復旧・復興支援連絡調整会議を立ち上げ、5月20日に第1回会議を開催しました。政府としては、引き続き、政府一丸となって、「できることは、すべてやる」という姿勢で、被災地の復旧・復興に取り組んでまいります。

甲佐町では熊本地震後初めて仮設住宅が完成し、6月5日に入居が開始されました。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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