日本の火山 vol.37 諏訪之瀬島 [鹿児島県]

噴煙を上げる南海の島

諏訪之瀬島(鹿児島県十島村)は、屋久島と奄美大島の間に点在する12の島々からなるトカラ列島の島の一つである。鹿児島市からはフェリーで約10時間、人口は72名(2015年5月末現在、十島村調査)。

島中央の御岳(標高796m)は活発に噴煙を上げる火山である。その東側には作地温泉という島唯一の温泉がある。陸からの道がないため、海の穏やかな干潮時に渡し船でしか行くことができないが、海を見ながらの温泉を楽しむことができる。

御岳は長年にわたり火山活動が続いている。記録が残っている中で最も古い1813年の噴火では、火砕流が発生、流れ出した溶岩が海まで達し、山体も崩壊した。この噴火により住民全員が避難したため1883年まで無人島となった。その後も噴火は断続的に発生したが、1950年代以降はほぼ毎年噴火している。2006年には年間519回の爆発的噴火を記録。昨年も9月に89回の噴火が起こり、噴煙が火口から1500mの高さまで上がった。

気象庁は諏訪之瀬島の火山活動について、「今後も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので、火口から概ね1㎞の範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください」と注意を呼びかけている(2016年2月8日発表、管内月間火山概況(平成28年1月)より)。

諏訪之瀬島全景 東側より(気象庁撮影)
諏訪之瀬島全景 東側より(気象庁撮影)

諏訪之瀬島
火山噴火予知連絡会により活火山に指定されている。気象庁により火山周辺警報(レベル2、火口周辺規制)が発表中である(平成28年1月31日現在)。

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