日本の火山 vol.35 硫黄島 [東京]

凄惨な歴史を持つ島

硫黄島(別名、中硫黄島)は東京から南へ約1,250kmに位置し、北硫黄島、南硫黄島とともに火山列島(硫黄列島)を構成している。南端の摺鉢山(標高169m)と中北部の元山(標高115m)の二つの火山を、千鳥ヶ原(標高70m以下)という台地でつないだ扇形をしている島は、基底の直径40km、海底からの比高2,000m という巨大な海底火山の海面上にあらわれた山頂部にあたる。

硫黄島は全体に地温が高く、多くの噴気地帯、噴気孔があり、各所で小規模な噴火を繰り返している。特に、島西部の旧噴火口(通称、ミリオンダラーホール)では2012年以降、頻繁に小規模な水蒸気爆発が発生し、石や泥が飛散している。

気象庁が今年8月に発表した月間火山概況によれば、硫黄島の地殻変動は2014年12月頃から隆起の傾向がみられ、2015年3月頃から、隆起速度が上がっている。さらに、火山活動はやや活発な状態で推移しており、将来、火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生すると予想している。

硫黄島は、その名の通り、硫黄を産出しており、明治時代から硫黄の採掘を目的とした開拓が始まった。太平洋戦争末期には激しい戦闘が行われ、多くの人命が失われている。現在、自衛隊が管理する航空基地が置かれ、一般の人の島内への立ち入りは制限されている。

硫黄島全景 (気象庁撮影)

硫黄島
火山噴火予知連絡会により活火山に指定されている。気象庁により火口周辺警報(火口周辺危険)が発表中である( 平成27 年8月31日現在)。

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