Disaster Management News―防災の動き

南海トラフ地震防災対策の推進について

南海トラフ沿いで発生する地震に対しては、これまで東海地震と東南海・南海地震のそれぞれについて「東海地震対策大綱」、「東南海・南海地震対策大綱」等の諸計画を策定し、個別に対策を進めてきました。しかしながら、最新の科学的知見を踏まえ、1南海トラフ沿いで東海、東南海、南海地震の同時発生を想定する必要があること、2東日本大震災の教訓から科学的に想定し得る最大規模の地震・津波を想定する必要があることを考慮し、政府は、南海トラフ地震対策を推進するため、平成24年8月および平成25年3月に被害想定等を公表したほか、平成25年5月には具体的な対策を「南海トラフ巨大地震対策について(最終報告)」として取りまとめました。また、同年11月に、南海トラフ地震による災害から国民の生命や財産を保護することを目的として、南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(以下「南海トラフ法」といいます。)が議員立法により改正・成立し、同年12月に施行されました。

この南海トラフ法に基づいて、政府は、平成26年3月、震度6弱以上の地域や津波高3m以上で海岸堤防が低い地域等を「南海トラフ地震防災対策推進地域」として指定(1都2府26県707市町村)するとともに、これらの地域のうち、津波により30㎝以上の浸水が地震発生から30分以内に生じる地域等を「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」(以下「特別強化地域」といいます。)として指定(1都13県139市町村)しました。このうち、特別強化地域においては津波からの避難を確保するために必要な避難場所及び避難経路の整備や、集団移転促進事業等について、国の負担割合の嵩上げや許可要件の緩和等の特例措置が設けられています。

また、政府は、国の南海トラフ地震に対する基本的方針や施策等を定める「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」(以下「基本計画」といいます。)を中央防災会議において決定しました。基本計画(※)では、超広域にわたり強い揺れと巨大な津波が発生すること、避難を必要とする津波の到達時間が数分という極めて短い地域が存在すること、その被害は甚大となること等といった南海トラフ地震の特徴を踏まえ、南海トラフ地震防災対策の基本的な方針を、国、公共機関、地方公共団体、事業者、住民など様々な主体が連携し、計画的かつ速やかに、ハードとソフトを組み合わせた総合的な防災対策を推進することとしたうえで今後10年間で達成すべき減災目標として、死者数を概ね8割、建物被害を概ね5割減少させることを掲げるとともに、具体的な施策、その施策の目標及び達成期間を設定しています。

(※)基本計画のほか、南海トラフ地震対策関連の資料等は、内閣府のホームページ(https://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/index.html)に掲載しています。

また、基本計画に基づき、地方公共団体等において、「南海トラフ地震防災対策推進計画」及び「津波避難対策緊急事業計画」が作成されるとともに、民間の施設管理者等において「南海トラフ地震防災対策計画」が作成されることになります。内閣府においては、これらの計画が速やかに作成されるよう、必要な助言などの支援や本計画の適切なフォローアップを行っていきます。また、南海トラフ地震を想定した防災訓練を地方公共団体等と連携して実施することを予定しているなど、国、公共機関、地方公共団体、事業者、住民などが一体となった南海トラフ地震対策の推進を図っていくこととしています。

南海トラフ地震防災対策推進地域の指定
南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域の指定

内閣府政策統括官(防災担当)防災計画担当

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内閣府政策統括官(防災担当)

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