樹氷の山
蔵王山は、宮城県と山形県の県境に位置する。最高峰の熊野岳(1841m)、地蔵岳、刈田岳、五色岳などの山々を有する火山群で、蔵王連峰とも呼ばれる。五色岳には、エメラルドグリーンの水をたたえる火口湖の御釜(別名、五色沼)がある。
蔵王山の活動は約100万年前に始まったとされる。約40〜10万年前の火山活動では、複数の噴出口から多数の溶岩流が流出し、熊野岳や刈田岳などの山体が形成された。最新の火山活動は約3万年前に始まり、御釜、五色沼付近で現在まで断続的に続いている。
有史以降では、1600年代と1800年代に、多くの噴火の記録が残っている。1895年(明治28年)に御釜で起こった水蒸気噴火は、最近では最も激しい噴火と言われ、火砕物の降下、御釜の沸騰、有毒ガスの発生などがあった。しかし、1940年の小規模な噴火以降、噴火は起こっていない。
蔵王山は、春や夏の高山植物、秋の紅葉でも知られるが、冬に地蔵岳や刈田岳などで見られる樹氷が特に有名である。樹氷は樹木に氷や雪が付着して形成される。国内では他には、青森県の八甲田山、秋田県の八幡平などの限られた地域でしか見ることができない。

蔵王山の御釜
蔵王山
活動的火山及び潜在的爆発活力を有する火山に指定されている。平成19年12月1日に噴火予報を「平常」と発表。その後、予報警報事項に変更はない(10月9日現在)。