日本の火山 vol.23 那須岳 [栃木県・福島県]

噴気を放つ伝説の石

那須岳は、栃木県と福島県の県境に位置する。主峰の茶臼岳(1,915m )他、三本槍火山、朝日岳火山、南月山、などが南北に連なる火山群である。
現在、火山群の中で最も新しい茶臼岳の活動が続いている。
記録によると、1408年の噴火で、白—黄色に変色した多量の火山灰が降灰。また、硫黄が降り、那珂川の水が数年にわたり黄色く濁った。1410年には、噴石や泥流によると思われる埋没で、犠牲者180余名と多数の牛馬の被害を生じている。
その後、1881年には、水蒸気爆発で熱水変質を受けた火山礫と黄色の火山灰が噴出し、火山灰が流れ込んだ那珂川で魚が大量死した。近年では、1953年、1960年、1963年にも小噴火や小爆発が発生している。
茶臼岳周辺は、「無間地獄」と呼ばれる西斜面の火口など、現在も絶えず火山ガスを噴出している場所があり、山麓の那須温泉近くにある「殺生石」もその一つ。退治された「九尾の狐」が巨大な石に化身して毒気を放った伝説にまつわる史跡として古くから全国に知られる。

秋の那須岳(茶臼岳)と紅葉

那須岳
活動的火山及び潜在的爆発活力を有する火山に指定されている。平成21年3月31日に噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)を発表。その後、予報警報事項に変更はない(8月16日現在)。

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