日本の火山 vol.18 鳥海山 [秋田県・山形県]

五穀豊穣の守り神

 鳥海山は、秋田県、山形県の県境にまたがり、日本海に臨む独立峰。地形的には、やや急峻で新しい溶岩地形の東鳥海山と浸食の進んだ西鳥海山、新旧二つの火山の複合体である。最高峰は、東鳥海山側にある新山(しんざん)(2,236m)。
 海岸線から山頂までは直線距離で16kmほど。そのわずかな距離の間に、海浜、平地、高原や湿原、山岳地帯など、変化に富んだ自然の姿が見られる。
有史以降も、十数回程度の噴火が記録されている。1801年の爆発的な噴火では、新山が形成された。この際、噴石で登山者8名が犠牲になったほか、河口まで達した土石流によって、流域の家屋や田畑は泥に埋まり、流れ込んだ土砂で港が使用できなくなったなどの被害も生じたという。その後も1804年までは噴煙現象や断続的な噴火が続いた。1974年には、約150年ぶりの小規模な噴火(水蒸気爆発)により、降灰や融雪による火山泥流も発生したが、大きな被害はなかった。
 山麓周辺の田園地帯を見守るように聳える鳥海山は、古くから信仰の対象として崇められてきた。また、その秀麗な姿から、出羽富士、秋田富士とも呼ばれ、人々に親しまれている。

鳥海山と田園風景

鳥海山
活動的火山及び潜在的爆発活力を有する火山に指定されている。平成19年12月1日に噴火予報「平常」と発表後、予報警報事項に変更はない(2月17日現在)。

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