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気象予報士・アナウンサー 根本美緒さん

毎朝の情報番組で、天気予報を担当する根本美緒さん
明るい笑顔で今日傘が必要か、
何を着たらいいかなど生活に密着した情報を伝えます。
学生時代はフォークデュオで活躍し、アニメの歌も歌っていました
そして、環境問題を伝えたいと、アナウンサーに。
中越沖地震では、環境の絵本の読み聞かせボランティアとして、
被災した子どもたちを訪れました

天気を体で感じて、伝える
予報士としての私の仕事です

 根本さんは、大学のときに環境経済を専攻し、ペットボトルのリサイクル、デポジット制度を研究。そして環境問題を伝えたいとテレビ局に入り、天気予報を担当した。
 「でも、あるとき上司に『低気圧って何だ。説明してみろ』といわれ、そういえば、何だろうと」(笑)
 そこで気象予報士試験を受験・合格。やがて、朝の看板番組で天気予報を担当するようになる。平日、毎朝5時半から8時半の番組で5年間、屋外から伝えている。
 「夏は蚊の標的で、足は何カ所も腫れますし、冬は凍えます。でも、外の感覚が大事。そのときの天候で感じたことから自分の言葉を探します。お母さんが子どもに何を着せたらいいか、今日は外に洗濯物を干せるのかなど、迷ったときに役立つような情報をお伝えできるよう、心がけています」
 そして「その天気予報をだれがどう受け止めるか、と想像しながら仕事に当たることが大切」だという。
 今年の「好きなお天気キャスター、気象予報士ランキング」(オリコン社)では堂々の第一位だ。
 毎朝の華やかな場面が目立つが、地道な活動も少なくない。かつては、環境問題の絵本の朗読ボランティアもやっていた。
 「子どもたちに環境の絵本の読み聞かせをしていました。子どもたちも相当関心を持ってくれましたね」
 仙台のテレビ局にいた平成15年、宮城県沖を震源とする地震に遭遇。
 「紅茶を入れていたら、ポットから水が飛び出したり、テレビが倒れたりして部屋はメチャクチャに」
 その経験が平成19年の中越沖地震の際、つながった。子どもたちが後遺症で外に出られないと聞き、読み聞かせに行った。
「1カ月も出られない子どもがいると知り、いてもたってもいられなくなった」という。
 根本さんは「環境、気象と防災はつながっている」と話す。
 「例えば、最近起こる土砂災害。林業が衰退し後継者がいないため、森林と土が荒れて災害が起こります。なんとかしたいと本気で思います」
 そして、防災も気象も迅速な「情報」が大事だと強調する。
 「いまは携帯サイトでも情報が入る。私も、地震の情報はメールで自分の携帯に入るように設定しています。でも、災害のための備品は備えていないとか、しばらくすると意識が薄くなります。防災マップなどの情報を集めて、家族で事前に『いざと何よりもまず迅速な情報が天気でも防災でも大事ですいうときはどういう行動をとるか』とか話し合うとかが大切ですよね」
 そして、もう一つ思うことがある。
 「地震で下敷きになったおばあさんに、子どもが『赤とんぼ』を歌ってあげて救助を待ち、助かったという話がある。そのように感性に訴えることで何かできないかと思います」
 爽やかな雰囲気と確固とした防災知識と意識。今後もますます活躍の幅が広がっていく気がした。

根本美緒さん

撮影:浅田悠樹

根本美緒さん

Profile ねもと・みお
気象予報士、フリーアナウンサー。慶應義塾大学経済学部を卒業、平成13年東北放送に入社後、気象予報士試験に合格。平成16年退社後、『みのもんたの朝ズバ!』でお天気コーナーをはじめ、テレビやラジオで活躍中。環境省の3R推進マイスター(容器包装廃棄物排出抑制推進委員)も務める。大学時代には女性デュオsus4として、アニメや映画の主題歌などを歌っていた。

「KOBE MEETING」

テレビで天気予報をする根本美緒さん(写真提供:(株)三桂)

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