Disaster Report 国内復興レポート

平成21年夏季に発生した災害の被害状況等について

この夏は多くの災害が発生しました。その主な災害について、被害状況などを報告します。

平成21年7月中国・九州北部豪雨

大雨の状況
 7月19日から21日にかけて、前線の活動が活発化し、山口県の防府では、1時間で72・5㎜、24時間で275㎜の雨が観測され、観測史上1位の値を更新しました。この3日間の総雨量としては、7月の月間降水量平年値に相当する大雨が防府(332㎜)と山口(294・5㎜)で観測されました。
 また、7月24日から26日にかけて再び前線の活動が活発化し、1時間雨量の観測史上1位の値が福岡県の篠栗(100・5㎜)と飯塚(101㎜)などで更新され、24時間雨量でも、福岡県の篠栗(326・5㎜)、飯塚(338㎜)、那珂川町の九千部山(333㎜)などで観測史上1位の値が更新されました。3日間の総雨量としては、7月の月間降水量平年値の2倍に相当する雨が、福岡県太宰府(618㎜)と飯塚(568㎜)で観測されました。

主な人的被害と住家被害の状況
 この災害により死者31人、負傷者46人の被害が発生しました。特に山口県防府市では、土砂災害により特別養護老人ホームや同市下右田の国道262号線付近などで合計14人の方が亡くなっています。福岡県でも、県内各地で土砂災害や川・側溝で流されたことなどにより、10人の方が亡くなっています。
 また、住家被害では、山口県と福岡県を中心とした20府県で、全半壊や一部損壊、床上・床下浸水の被害が発生しました。

 期間降水量分布図(アメダス:7月27日〜 29日)(資料提供:気象庁)

 防府市真尾の特別養護老人ホームでは土石流で7人が亡くなった

 防府市下右田では国道262 号線付近で土砂崩れが発生。4人が亡くなり、道路は全面通行止めになった

その他の被害の状況
 電力では、中国地方を中心に延べ約4万4千戸が停電し、現在も2戸が停電中です。水道は、山口県、福岡県、長崎県などで約8万7千戸が断水しましたが、現在は復旧しています。
 道路では、九州道の太宰府IC.福岡IC間で、土砂崩れに伴う通行規制が行われるなど、最大時には、高速道路、国道、県道あわせて、中国地方では73区間(22日)、九州地方では37区間(27日)の通行止めが発生しました。なお、通行止めとなった国道262号線の迂回車両への対応として、7月26日より山陽自動車道、中国自動車道の一部で無料通行措置が実施されました。
 農林水産関係では、農作物の冠水・土砂流入や、農地・農業用施設等の損壊などが発生し、林野関係や水産関係でも被害がありました(すべて9月15日現在)。

政府の主な対応等について
 関係省庁等では情報収集体制を強化するととともに、林防災担当大臣を団長とする政府調査団を7月22日に山口県へ、27日には福岡県へ派遣しました。調査終了後に、災害対策関係省庁連絡会議を開催し、調査結果の報告と被害・対応状況の情報共有を行い、行方不明者の捜索救助に全力を挙げること、応急対策・復旧等に政府一丸となった対応を行うことなどを申し合わせ、引き続き対応にあたりました。また7月29日には、麻生内閣総理大臣による山口県と福岡県の現地調査が実施されました。
 自衛隊は、災害派遣要請を受け、捜索・救助活動(山口県防府市、福岡県篠栗町)、給水支援活動(山口県山口市、福岡県宗像市、長崎県佐世保市など)、孤立者救助(福岡県那珂川町など)、入浴支援(山口県山口市)を行いました。
 山口県は7月21日を適用日として防府市と山口市に、福岡県は7月24日を適用日として飯塚市に、災害救助法及び被災者生活再建支援法に基づく支援金支給制度を適用しました。
 なお、この平成21年7月中国・九州北部豪雨を含む、6月9日から8月2日までの梅雨前線による災害については、激甚災害に指定され、農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置等が適用されました。

 福岡県大野城市では高速道路が被災し、2人が亡くなった

 福岡県大野城市の高速道路被災箇所を調査する政府調査団

 人的・住家被害の状況(消防庁調べ:9月15日18 : 0 0 現在)

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.