防災 Q&A

Q:災害時、女性は どんなことで困りますか?

A:避難所、家庭、職場など、それぞれに問題が起こります

 避難所生活では、女性のプライバシーや治安に対する問題が起こります。家庭では、不便な生活の中、家族の世話や 家の片付けなどが女性の負担になります。もしもの時、男女が協力して対応できるよう、避難所の環境や備蓄品のリス トに女性の意見を反映したり、防災組織や災害対策のマニュアルに女性の視点を入れましょう。

 これまであまり議論されてきませんでしたが、災害時には女性だからこその苦労が、さまざまな場面で発生します。
 避難所生活を送る女性のプライバシーや治安面での苦痛・不安・苦労は、男性の想像をはるかに超えるものでしょう。特に妊産婦や乳幼児を抱えた母親たちは、ミルクやオムツなどの用意、衛生対策・周囲への気遣いが大変です。避難をせずにすんでも、保育所や学校・福祉施設の機能が止まり、ガス・水道・電気が途絶えた中で、家族の世話や介護、片付けが一気に家庭の女性にのしかかります。
 女性に多い非正規労働者の解雇や、家族の世話で出勤できなかったことへの非難も予想されます。男性も災害復旧に追われて、家族とのすれ違いに苦しんだり、不幸にも過労死に見舞われることもあり得るのです。
 現在、国の男女共同参画基本計画には「防災(復興を含む)」の項目があり、こうした課題とともに、男女のニーズの違いを把握して対策を進める必要があると明記されています。
 男性は仕事、女性は家庭といった固定観念にとらわれず、相手を思いやって協力し合える日ごろからの関係づくりが大切です。また、避難所の環境や備蓄内容に女性の意見が入っていますか? 自治体や企業の防災計画づくりや災害対策本部のメンバーに女性を加え、家族関係の視点なども盛り込んでいますか? 女性(男女共同参画)センターや保健所がすぐに女性や妊産婦などの支援を行える内容のマニュアルを作っていますか?
 女性の視点が入った防災まちづくりを実践できれば、男性を含むすべての人を大切にできる地域づくりにもつながるはずです。

防災組織や災害対策のマニュアルに女性の視点を入れましょう。

イラスト:井塚 剛

全国地域婦人団体連絡協議会事務局・研究員 浅野幸子
阪神・淡路大震災の救援ボランティアとして活動し、復興支援にも携わる。2003年、法政大学大学院社会科学研究科修士課程修了。 (財)消費生活研究所を経て、04年より現職。専門は地域・コミュニティ政策、防災・災害復興など。

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