日本の火山 vol.07 雲仙岳(長崎県)

半島の中心に連なる、島原のシンボル

 雲仙岳は、長崎県・島原半島のほぼ中央部に位置する火山だ。普賢岳、国見岳、妙見岳の三峰、絹笠岳、高岩岳、野岳、矢岳、九千部岳の五岳からなる山々の総称としても知られ、「三峰五岳の雲仙岳」とも呼ばれる。
 有史後の噴火では溶岩流を3回流出したが、噴火活動はいずれも普賢岳に限られている。記憶に新しい活動では、平成2年11月に普賢岳山頂東側の地獄跡火口および九十九島火口で水蒸気爆発がある。翌平成3年には溶岩ドームが出現して成長、火砕流を頻発した。中でも、同年6月3日に発生した火砕流では、報道関係者や火山学者、消防団員など、計43人の死者行方不明者と多くの負傷者を出す、大惨事となった。一連の噴火活動によって新たに形成された平成新山は、現在、長崎県の最高峰となっている。
 その雲仙岳一帯は昭和9年に日本で最初の国立公園に指定されており、今でも自然が大切に守られている。九州の火山地帯に特有なツツジのミヤマキリシマは広い範囲にわたって咲き誇り、目を楽しませてくれる。

雲仙仁多峠と平成新山。手前はミヤマキリシマ(写真提供:アフロ)
雲仙仁多峠と平成新山。手前はミヤマキリシマ(写真提供:アフロ)
雲仙岳
島原半島の中央部を東西に横断する雲仙地溝(幅約9km)内に山体の中心部があり、裾野まで含めると南北に25kmの成層火山。現在、活動的火山および潜在的爆発活力を有する火山。噴火警戒レベル1が継続している。5月16日現在。

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