日本の火山 vol.12 阿蘇山[熊本県]

火の国のシンボル

 巨大なカルデラを主に構成する中央火口丘群を阿蘇五岳と呼ぶ。阿蘇五岳は最高峰の高岳(1592m)、中岳(1506m)、根子岳(1408m)、烏帽子岳(1337m)、杵島岳(1270m)で、火の国熊本のシンボルである。カルデラの外側にはなだらかな火砕流台地により外輪山が形成されており、 学術的にはこれを含めて阿蘇火山と呼んでいる。
 カルデラは約30万年前から9万年前までに4回の大噴火で形成されたと考えられる。9万年前の大規模な噴火では、火砕流の堆積物が海を越えた天草や山口県秋吉台で確認され、火山灰は北海道東部で厚さ10㎝以上の堆積物として残っている。
 現在、火山活動をしているのは、中岳の第1火口のみ。中岳には第1〜第7火口があり、昭和初期には第2火口と第4火口も活動していた。
 昭和以降、中岳火口周辺で観光客などが火山ガスなどで被災する事故が相次いだ。現在は、火口周辺にガス自動測定装置を設置し、一定以上の濃度を検出したら徹底した立入り規制を実施して、観光客に対するガス周知と安全対策がとられている。

噴煙を上げる中岳第1 火口(写真撮影:上野文雄)

阿蘇山
熊本県阿蘇地方、世界最大級のカルデラ(東西約17km、南北約25km)の中に、今も噴煙を上げる中岳などの中央火口丘群が存在する。それを阿蘇山と呼ぶ。噴火警戒レベル1(平常)3月4日現在

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