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女優 佐藤江梨子さん

テレビCFからドラマ、映画で活躍する佐藤江梨子さんは、日ごろから地震などの災害に備えています。
1月17日放映の阪神・淡路大震災15周年特別ドラマでは、被災地の跡を歩くドキュメンタリー的な物語に主演して、人々に静かな感動を与えました。

阪神・淡路大震災で被災した人々の話を聞いてほしい

 女優の仕事を始めたきっかけは、意外なところにあった。「最初から女優の仕事をやりたかったわけではなく、ラジオの放送作家やDJが希望でした。情報をインプットして伝えるマスメディアに入りたかったのです。でも、なかなか簡単ではなく、そこで、オーディションを受け、今の会社に入りました」
 子どもの頃は、とてもおっとりとしていて、「日頃ぼんやり家で過ごすようなタイプ」だったそうだ。しかし、親の転勤による転校が、それに少なからず変化を及ぼした。
 「転校を何回も繰り返し、いやでもその土地や人々を理解して進んでいかなければならなかったことで、さまざまな異なる場面への適応力がついてきた気がします」
 「今の仕事は舞台だとひと月やふた月で変わる。毎日さまざまな仕事があるので、まったく異なる方々とその現場に自分を適応させていく必要があります。子どもの頃の経験が、今に生きていると思います。運動は苦手でしたが、最近は少なくとも体力はついてきました」(笑い)
 現在は、女優、タレント、執筆業、と非常に幅広くこなしている。
 「自分の代わりはいないので、具合が悪くても休めません。常に健康を心がけています。やりがいはありますが、プレッシャーもあります」
 地震などの災害に備え、佐藤さんは、水・かんぱんの備蓄、寝室にはガラス類を極力置かない、近所の避難所の確認をする、テレホンカードや10円玉を常に持つ、などに留意しているという。高い防災意識と備えに驚かされた。
 「小さい頃から常に必要な備えをするよう、親から注意されていましたので気にするようになりました」
 佐藤さんは、阪神・淡路大震災15周年を機にNHKで製作され、1月17日に放送されたドラマ「その街のこども」に主演した。
 「阪神・淡路大震災については、よく高速道路の倒壊の映像などが象徴として出てきますが、被災した一人ひとりの声はなかなか出てきません。まさにそこにいた人々の、実際の話を聞いてほしい。そういう思いから、今回、自分たち出演者は実際に被災地の跡を歩き、いろいろな方のお話をうかがいました。台本を読んで、泣いてしまったこともあります。私にとってとても大切な作品です」
 「阪神・淡路大震災では、行子どものころの転校で仕事への適応力がつきました政の対応は必ずしも十分でなかった。その反省から、以後の災害ではボランティアの皆さんを始め国全体が、より真剣に向き合ってくださるようになったと思います。そういう意味で、今回のドラマのような作品は、震災を経験していない人をはじめ、多くの方に見ていただきたいのです」
 彼女の言葉は、これまでの経験と高い意識に裏打ちされ、重い。

佐藤江梨子さん
表紙・p12, p13 撮影:伊藤千晴
佐藤江梨子さん

Profile さとう・えりこ
高校在学時の平成11年、大磯ロングビーチキャンペーンガールに合格。グラビアアイドルから現在、テレビCFや番組、ドラマ、映画、舞台などで女優として活躍している。 映画に関しての造詣が深く、小説、書評を書き、デザインも行うなど多才。映画『プレイガール』『キューティーハニー』『斜陽』『ラッシュライフ』『すべては海になる』、ドラマ『ちゅらさん』『電車男』『菊次郎とさき』、著書『気遣い喫茶』『TROIS トロワ』(石田衣良、唯川恵とのリレー小説)など。

NHK 震災15年特集ドラマ「その街のこども」

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