日本の火山 vol.03 浅間山(群馬県・長野県)

多様な植物が自生する自然の宝庫

 群馬県と長野県にまたがる標高2568mの浅間山。10万年以上前から噴火を繰り返し、日本の火山噴火の災害としては最大といわれる1783(天明3)年の大噴火では、軽井沢町周辺から嬬恋村などの山麓一帯に未曾有の被害をもたらした。死者総計1000人を超え、流された家屋は1000戸以上にも上ったという。その後も山頂火口からの噴火が続き、明治年間以来たびたび爆発的噴火を繰り返してきた。1950年代までは毎年のように噴火があり、爆発による噴石によって犠牲者も多く出した。現在も、気象庁地震火山部の観測データによれば、山頂火口で小規模な噴火が発生したり、火山性地震が多い日で100回以上起きるなど、依然として活動は続く。国土交通省、県、市町村では、噴火の規模と危険範囲の目安として「浅間山火山防災マップ」を作り、防災対策に力を入れている。
 多様な植物が自生し、秋には周辺の高原が紅葉して登山客を楽しませる浅間山。自然の脅威を見せつける一方、勇壮な美を実感させる山だ。

長野県御代田町から望む、浅間山と紅葉(写真提供:アフロ)

浅間山
複雑な形成史を持つ火山。爆発型(ブルカノ式)噴火が特徴で、噴火の際は火砕流(熱雲)が発生しやすい。現在、活動的で特に重点的に観測研究を行うべき火山の一つ。今年8月8日以来、噴火警戒レベルが1(平常)から2(火口周辺規制)に引き上げられている(9月16日現在)。

文:さくらい伸

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