中でも、自分の、そして家族の命を守るには、住まいの安全確保が最優先。
建物倒壊や家具の転倒・落下を防ぐために、何をするべきかを見てみよう。

阪神・淡路大震災で倒壊した家々(写真提供:川井聡)
死因のほとんどは建物倒壊や家具の転倒
平成7年1月17日、5時46分に発生した阪神・淡路大震災は、マグニチュード7.3の地震により、最大震度7を記録。死者は6434人に上り、犠牲者のほとんどが家屋の倒壊や家具などの転倒による即死状態とされている。建物の被害を見ると、住家全壊は10万4906棟で、そのほとんどは建築基準法が改正される昭和56年以前のもの。多くの犠牲者が自宅で亡くなっている。
1998年から2007年の間、世界で起こったマグニチュード6.0以上の地震の回数は961回、そのうち20.7%の199回は日本で発生している。また、平成19年の有感地震は2098回と、日本が地震の多い国であることは疑う余地のない事実。
「どこが安全?とよく聞かれますが、心配するより、まずできることをすることです」
と、東京大学地震研究所の島崎邦彦教授。いつ地震が起きても命を守れるよう、安全な住まいについて考えてみよう。



空間の安全確保実験。システムキッチン、テーブル、テレビなどがあるリビングに、南海地震を想定した揺れを加えたところ、食器棚はすべて倒れ、電子レンジやテレビなどはすべて落下(写真提供:防災科学技術研究所)



こちらは、洋服ダンスのある和室の寝室での実験。高さのあるタンスは転倒し、低いタンスも引き出しが飛び出してしまっている。間取りの関係で、どうしてもタンスのある和室で寝るのなら家具は必ず固定を(写真提供:防災科学技術研究所)



実際の木造住宅を実験施設内に移築し、耐震補強効果実験を実施。震度7相当の揺れを加えた結果、耐震補強をした右の家は倒壊しなかった(写真提供:防災科学技術研究所)