Disaster Report 国内災害レポート

7月28日からの大雨による被害状況等について

7月27日から29日にかけて、中国、近畿、北陸地方を中心に、上空の寒気と湿った気流の影響で大気が不安定となり局地的な大雨に。河川の洪水や急な増水、落雷や突風での被害が各地で発生しました。

大雨の状況

 北陸地方では、7月28日12時20分までの24時間に、富山県南砺市の五箇山で170mmの雨、28日14時までの24時間に石川県金沢市の医王山で140mmの雨を観測。28日7時30分までの1時間で、五箇山で75mmの雨を観測したほか、石川県と富山県の各地で1時間に100mmを超える雨が解析されました。
 近畿地方では、29日12時までの24時間に、京都府京丹後市の峰山で167.5mm、29日12時10分までの24時間に、京都府長岡市の長岡京で133.5mmの雨を観測。28日13時30分までの1時間で、峰山で80mmの雨、14時までの1時間に長岡京で76.5mmの雨を観測したほか、昼頃から夜にかけて、所々で1時間に100mmを超える雨が解析されました。

期間降水量分布図(7月27日〜29日)

主な人的被害と住家被害の状況

 9月9日現在、主な人的被害は死者6人、負傷者は、計13人となっています。兵庫県神戸市では、市内の都賀川に流されて4人が死亡し、河口付近の海上で1人の遺体が発見されました。また姫路市では落雷によって1人が亡くなりました。
 また住家被害は、全壊6棟、半壊16棟、一部破損61棟で、床上浸水が536棟、床下浸水は2464棟に上りました。

人的・住家被害の状況(消防庁調べ:9月9日18時現在)

神戸市灘区では都賀川が増水し、子どもたちを含む5人が亡くなった(写真提供:神戸市)

金沢市板ケ谷町で、大雨による土砂崩れが起き、土蔵が倒壊した民家(写真提供:時事)

金沢市で復旧にあたる市民とボランティアの人々(写真提供:金沢市)

南砺市の増水した山田川の田屋橋(福野地域)付近の様子(写真提供:南砺市)

南砺市の中でも被害の大きかった城端地域出丸地区の復興の様子(写真提供:南砺市)

避難の状況

 避難指示は、7月28日8時50分に石川県金沢市で約2万1000世帯を対象に発令されました。避難勧告は、岩手県洋野町、富山県南砺市、石川県金沢市・内灘町、京都府宮津市・京丹後市で約1万3000世帯を対象に発令されました。

その他の被害等の状況

 7月28日に9府県63市町村で土砂災害警戒情報が発表され、富山県、石川県、新潟県、京都府、岩手県の11市町で70件の土砂災害が確認されています。
 電力は、各地の延べ停電戸数が約10万9000戸にも上りましたが、すべて復旧されています。水道は、富山県と石川県で985戸が断水しましたが、現在はすべて復旧済みです。道路については、通行止めとなった国道156号と304号の代替路として7月28日から8月5日まで、東海北陸道の福光IC〜五箇山ICの区間において、無料通行措置が実施されました。現在、高速、有料道路、国道、県管理国道の通行止め区間はありませんが、都道府県道では6区間が全面通行止めとなっています。
 農林水産関係では、農作物等の浸冠水等による被害が、秋田県、新潟県、富山県、石川県で499ha。農地の損壊は、12府県で2130カ所、農業用施設等の損壊は、12府県で1712カ所となっています(すべて9月9日現在)。

政府の主な対応等について

 7月28日、内閣府など関係各省庁では情報収集連絡体制を強化し、対応しました。
 同日、自衛隊は、石川県知事から情報収集に関する災害派遣の要請を受け、情報収集活動を実施しました。
 7月28日を適用日として、富山県は南砺市に災害救助法を適用し、石川県は金沢市に災害救助法と被災者生活再建支援法を適用しました。
 また、「平成20年7月27日から同月29日までの間の豪雨による富山県南砺市及び石川県金沢市の区域に係る災害」を局地激甚災害に指定し、農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置等が適用されています(8月29日公布)。

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