日本の火山 vol.02 有珠山(北海道)

緑の大地で異彩を放つ、荒々しい山肌

 北海道洞爺湖畔に位置する有珠山は、高さ737m。寛文3(1633)年に火山活動を再開して以来、噴火を繰り返し、その際、必ず有感地震が発生していることから、「うそをつかない山」と言われている。
 昭和19年の噴火では南東側の山麓で土地の隆起が始まり、翌年9月に溶岩ドームが生成された。その新たな山は昭和新山と名づけられ、国の特別天然記念物に指定されている。昭和52年8月の大噴火では、噴煙が最高1万2000mを記録。降灰は、道内の119市町村に及んだ。
 最近の噴火は平成12年。この時、日本で初めて噴火前に緊急火山情報が発表され、1万人以上の住民が避難した。火山防災マップがあったこと、普段から児童へ防災教育を行っていたことなども手伝い、家屋や道路などの被害は大きかったものの、一人の犠牲者も出なかった。
 そんな荒々しい有珠山だが、展望台や遊歩道からの火口見学や、北麓に広がる洞爺湖温泉は、北海道でも人気の観光スポット。7月7日〜9日には、洞爺湖でサミットが行われた。

洞爺湖畔にそびえる有珠山。ふもとには、洞爺湖温泉街が広がる。(写真提供:アフロ)

有珠山
1.5万年から2万年前に活動を開始し、7000年から8000年前に山体崩壊を起こしてからは、火山活動を休止していたが、現在は活動的で特に重点的に観測研究を行うべき火山の一つ。現在、噴火警戒レベル1(平常)が継続している(7月14日現在)。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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