特集 復興に向かう柏崎から

被災を通して、学んだこと -5/5-

中越沖地震の証言5 柏崎市立西山中学校校長 清水哉子さん
ボランティア活動や地域の助け合いの大切さを学ぶ生き方学習の場にする

震災当日は、行事の練習や部活動のために登校していた生徒がいた。
「まず、生徒は必ず保護者に託すこと、そして生徒の安否確認をするように、と職員に指示しました」

清水校長が学校に到着すると、天井裏の配水管が損傷して校舎は水浸し。体育館は、天井の空気循環ダクトを覆っていたカバーが落下していた。
「学校がするべきことは教育の支援。2日間がかりで校舎の排水をし、4日後には授業を再開しました」

施設を借りたり、放課後に学習会を開いたりして、勉強する場の確保を優先。そして何より、
「震災下の生活で、生徒の気持ちが落ち込まないように配慮しました。生徒たちは、避難所のお手伝いをすることで自分が役立つことを知り『地震を自信』にしよう、と。でも、生徒が率先して配膳や掃除、子どもの遊び相手をしたりする姿に励まされたのは大人です」

使用禁止だった体育館は2月20日に修理完了。卒業式には間に合った。
「でも、本当の復旧はこれから。経済的な問題を抱えている家庭も少なくなく、悩みが深刻化してきます」

それでも、地域の力やボランティアの活動を身近に見ることで、生徒にとっての生き方学習として大いに役立った、と清水校長も前向きだ。

土台の亀裂や舗道など、工事の見通しのたたない箇所も残る。

震災直後にかけつけられる学校近隣在住の職員の不足、非常時における設備対応の方法など、職員側の課題も多数見いだしている清水校長。「でも、うちの生徒たちは、質実な気風を保ち、本当によくがんばりました」

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