海外災害レポート
ミャンマーのサイクロンと中国西部の大地震
どちらも、甚大な人的・物的被害が生じています。
ミャンマー連邦南部をサイクロンが直撃
大型サイクロン「ナルギス(Nargis)」が、5月2日から3日にかけて、ミャンマー連邦の南部を通過。高波や強風などにより、最大の都市ヤンゴンを含むヤンゴン管区やエヤワディ管区を中心とした地域に甚大な被害をもたらしています。
5月13日現在のミャンマー国営放送によれば、死者3万4273人、負傷者1403人、行方不明者2万7838人とされているほか、学校や病院などの公共機関や一般家屋の損壊も数万戸におよんでいます。また、交通の遮断による食糧不足、井戸が使えないことによる飲料水不足、被災者のための住居の不足などのほか、電気・電話が不通になるなど、インフラへの被害も深刻です。
ミャンマー連邦政府の要請を受けて、我が国政府は当初約2800万円相当の緊急援助物資の供与を決定し、7日に物資が到着。また、同日に、被災者数が急激に増大していることから、約3600万円相当の緊急物資援助の追加を決定しました。物資の内容はテント、発電機、毛布、プラスチックシート、ポリタンク、簡易水槽、スリーピングパット。さらに9日、当面の支援として1000万ドルを上限とする緊急支援実施の決定を加えて表明しました。
中国・四川省で地震
5月12日15時28分頃(日本時間)、中国・四川省の成都市から北西約92km、同省アバ・チベット族チャン族自治州において、マグニチュード7・9の地震が発生。四川省のほか、重慶市、甘粛省、陝西省、雲南省、青海省、寧夏回族自治区などで大きな揺れがありました。5月13日現在、中国国務院の発表によると、死者1万2012人、負傷者7841人、行方不明者は2万6206人。学校・住宅などの建物倒壊による生き埋め、道路の寸断など、人的・物的被害が甚大となっています。
我が国は、中国政府からの要請を受け、総理からの指示によって、当面の措置として中国政府及び国際機関を通じて、約5億円相当の資金及び物資の支援を供与することを決定しました。