中川・綾瀬川の人々の暮らしを守る、地下放水路
首都圏外郭放水路
埼玉県の東部に作られた世界最大級の巨大洪水防御施設「首都圏外郭放水路」。首都圏を環状に走る国道16号線の地下50mほどの場所に造られたトンネルは、長さ約6.3km。貯水できる水の量は67万m3で、小規模なダムと同じくらいの貯水量だ。
洪水時には、長年、浸水被害の多かった、中川、大落古利根川(おおおとしふるとねがわ)などの河川の水が首都圏外郭放水路に流入する。操作室で、各河川の水位や流入量などの状況を判断して水を江戸川へと安全に排出する。
平成14年の稼働以降、被害は大幅に減少し、248戸(幸手市、杉戸町、春日部市内)の浸水があった平成12年7月の台風3号と比べ、平成18年12月の低気圧では85戸の浸水にとどまっている。

流入水の勢いを整える調圧水槽 写真提供:国土交通省 江戸川河川事務所 撮影:西沢丞