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2 日本の地震

 プレートテクトニクス理論によれば、日本列島付近では、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート及び北米プレートの4枚のプレートが相接しており、それらの境界が日本海溝、相模トラフ、南海トラフとなっています。
 太平洋プレート及びフィリピン海プレートは、毎年数cmの速さで西に動き日本列島の下に潜りこんでいます。これによりユーラシアプレートなどの大陸プレートの端が引きずり込まれ歪みのエネルギーがだんだん蓄積されていきます。この歪みが限界に達し、もとに戻ろうとすると破壊が起こり巨大なエネルギーが放出されます。これが、日本の太平洋沿岸で発生する巨大地震(海洋型地震)です。
 また、このエネルギーは内陸部にも及び、日本の各所にある断層で破壊が起こりエネルギーが放出されます。これが、内陸部の活断層等を震源として発生する浅発地震です。内陸の地震(直下型地震)は、太平洋沿岸の地震と比較して規模は小さいのですが、震源が浅い場合には局地的に大被害を及ぼす可能性があることが特徴です。

日本列島付近のプレート

日本列島とその周辺のM7以上の地震
(1885年〜1995年、深さ100㎞以浅)

海洋型地震発生のメカニズム

わが国の主な活断層

わが国の戦後の主な地震災害


名 称 発生年月日 マグニチュード 被害状況
死者・行方不明 損失家屋
関東大地震 大正12.9.1 7.9 142,807 576,262
東南海地震 昭和19.12.7 7.9 1,251 19,367
南海地震 昭和21.12.21 8.0 1,443 13,119
福井地震 昭和23.6.28 7.1 3,769 40,035
十勝沖地震 昭和27.3.4 8.2 33 921
チリ地震津波 昭和35.5.23 9.5 139 2,830
新潟地震 昭和39.6.16 7.5 26 2,250
十勝沖地震 昭和43.5.16 7.9 52 691
伊豆半島沖地震 昭和49.5.9 6.9 30 139
伊豆大島近海地震 昭和53.1.14 7.0 25 96
宮城県沖地震 昭和53.6.12 7.4 28 1,183
日本海中部地震 昭和58.5.26 7.7 104 987
長野県西部地震 昭和59.9.14 6.8 29 24
千葉県東方沖地震 昭和62.12.17 6.7 2 16
釧路沖地震 平成5.1.15 7.8 1 12
北海道南西沖地震 平成5.7.12 7.8 230 594
三陸はるか沖地震 平成6.12.28 7.5 3 72
兵庫県南部地震 平成7.1.17 7.2 6,433 104,900
(阪神・淡路大震災)

わが国の地震被害

 わが国の都市部においては、木造建築物の多い密集市街地が広い範囲で存在し都市域が地震に見舞われると、大火災の発生のおそれのあることが、わが国の地震被害の特徴の一つとなっていました。大正12年の関東大震災では、東京と横浜を焼きつくすような大火災が発生し、地震の被害が巨大なものとなりました。今日のわが国の都市は、巨大化し、情報通信網、交通網と多量の車両、ガスや電気などのライフラインなど都市のネットワークが複雑かつ高密に発達しています。さらに石油コンビナートなどの危険物施設や悪い地盤での住宅開発など、地震の被害を大きくする可能性を秘めているものも少なくありません。
 平成7年の阪神・淡路大震災は、わが国における社会経済的な諸機能が高度に集積する都市を初めて直撃した直下型地震であり、死者・行方不明者5,500余名に上る甚大な被害をもたらしました。行政機関などの中枢機能が自ら被災するとともに、道路・鉄道などの交通施設やガス・水道などのライフライン施設が寸断されたほか、被災者が長期にわたる避難所生活を強いられることとなりました。

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