特集 国難級の地震・津波
東日本大震災から15年、熊本地震から10年の節目となる本年、我が国は、地震・津波と向き合い続けてきた歩みと教訓を改めて確認し、次の災害への備えを一層確かなものにしていく必要がある。日本は世界で有数の地震国であり、これまで関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震など、各地で甚大な被害を経験してきた。これらの出来事は多くの尊い命と生活基盤を奪う一方、災害リスクへの理解を深め、備えを進化させる重要な教訓をもたらした。
しかし、千島海溝・日本海溝で想定される巨大地震、甚大な被害が予測される首都直下地震、広範囲に影響が及ぶ南海トラフ地震など、将来発生し得る大規模災害への備えは依然として喫緊の課題である。社会構造が変化する中、過去の教訓の風化を防ぎ、多様な主体が協働して災害対応力を強化していくことがこれまで以上に重要となっている。
令和8年版防災白書では、まず地震・津波のメカニズムを整理し、過去の災害から得られた教訓を再確認するとともに、大規模災害に関する最新の被害想定を踏まえ、国・地方公共団体・企業・国民が備えるべき観点を総合的に示す。とりわけ、企業には事業継続や地域との連携の強化、国民一人一人には住宅の耐震化や家具の固定、家庭備蓄、避難行動の確認など、日常に根差した具体的な備えの実践を期待したい。
最後には、事前防災から発災時の応急対策、復旧・復興に至るまでの一貫した取組を体系的に推進し、被害の最小化と迅速な回復を実現するための道筋を示す「第1次国土強靱化実施中期計画」を紹介する。
本特集が、行政・企業・地域・国民がそれぞれの役割を果たし、災害を「自分ごと」として捉え、主体的に備える行動へとつながる契機となることを期待する。
