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令和8年版 防災白書|第1部 第3章 第3節 令和7年8月5日から9月21日までの間の豪雨及び暴風雨による災害


第3節 令和7年8月5日から9月21日までの間の豪雨及び暴風雨による災害

(1)概要

令和7年7月下旬から日本付近はおおむね高気圧に覆われて雨の少ない日が続いたが、8月上旬以降は北日本から東日本の上空に寒気が入り、日本付近には周期的に低気圧が接近して前線が形成されるようになった。8月5日は、日本海から千島近海へ進んだ低気圧や前線の影響で、北海道地方から北陸地方で大雨となった。8月6日から12日にかけて、日本付近に停滞した前線や前線上の低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、北日本から西日本の広い範囲で大気の状態が非常に不安定な状況が続いた。石川県では7日明け方に線状降水帯が発生し、24時間降水量が300mmを超える記録的な大雨となったほか、鹿児島県では8日未明から明け方に線状降水帯が繰り返し発生し、24時間降水量が500mmを超える記録的な大雨となった。気象庁は、土砂災害の危険度が著しく高くなったことから、8日明け方に鹿児島県霧島市に大雨特別警報を発表した。

また、九州北部地方では8月9日夜遅くから11日にかけて線状降水帯が繰り返し発生し、福岡県や熊本県では24時間降水量が多い所で400mmを超える記録的な大雨となった。気象庁は、11日未明から昼前にかけて熊本県の5市2町(玉名市、長洲町、八代市、宇城市、氷川町、上天草市及び天草市)に大雨特別警報を発表した。8月6日から12日にかけての総降水量は、熊本県や福岡県で600mmを超えたほか、鹿児島県、新潟県、長崎県、長野県、石川県及び山口県でも500mmを超え、平年8月の月降水量の3倍以上となった地点があった。

その後も日本付近には暖かく湿った空気の流れ込みが続き、北日本や東日本では局地的に大雨となった所があり、8月21日から22日にかけて、台風第12号や台風から変わった熱帯低気圧の影響により九州南部・奄美地方で大雨となったほか、9月3日には、前線が北日本から東日本に南下したことや、日本の南の熱帯低気圧からの暖かく湿った空気が南から流れ込んだ影響で、東北地方や北陸地方を中心に大雨となった。

さらに、9月4日には日本の南で台風第15号が発生し、西日本から東日本に接近・上陸した影響で、4日には九州南部を中心に、5日には西日本から東日本の太平洋側及び東北地方の広範囲で大雨となった。特に4日には宮崎県で、5日には静岡県及び神奈川県で線状降水帯が発生し、宮崎県では24時間降水量が450mmを超え、平年9月の月分降水量を上回る記録的な大雨となったほか、静岡県で350mm、神奈川県で150mmを超える大雨となった。また、西日本から東日本の広い範囲で雷を伴って非常に激しい雨が降り、静岡県では竜巻と見られる激しい突風が複数発生した。台風の接近に伴い東日本の太平洋側では非常に強い風が吹き、最大瞬間風速30m/s以上を観測した地点もあった。

その後も9月21日にかけて、日本付近には周期的に低気圧が接近し、前線や低気圧の影響が続いたため、北日本から西日本にかけての各地で局地的に大雨となった所があった。

降水量の期間合計値(8月6日から8月12日まで)
降水量の期間合計値(8月6日から8月12日まで)
期間最大瞬間風速(9月2日から9月5日まで)
期間最大瞬間風速(9月2日から9月5日まで)
(2)被害状況

令和7年8月6日から12日にかけての大雨では、石川県、熊本県、鹿児島県等13県において土砂災害が発生したほか、10県の県管理河川67河川が氾濫し、浸水被害が発生した。これらにより、死者は8名(富山県1名、福岡県2名、熊本県4名、鹿児島県1名)、行方不明者は1名(熊本県)、重傷者は5名(富山県1名、石川県1名、熊本県3名)、軽傷者は35名(富山県1名、石川県2名、京都府2名、山口県1名、福岡県2名、熊本県22名、鹿児島県5名)となった。住家被害は、全壊が39棟、半壊・一部破損が8,454棟、床上・床下浸水が2,880棟となった(消防庁情報、令和7年11月14日現在)。また、水道については鹿児島県等5県において最大42,343戸で断水し、電力については全国各地で停電が発生し、東京電力管内で最大停電戸数が約9,080戸、九州電力管内で最大停電戸数が約7,100戸に及ぶなど、ライフラインにも被害が発生した。

また、9月3日からの大雨により、千葉県、静岡県及び宮崎県において土砂災害が発生したほか、愛知県、香川県及び宮崎県の県管理河川において浸水被害が発生した。人的被害は、死者が2名(東京都1名、静岡県1名)、重傷者が13名(静岡県)、軽傷者が82名(北海道3名、東京都1名、新潟県2名、静岡県75名、宮崎県1名)となった。住家被害は、全壊が77棟(新潟県1棟、静岡県76棟)、半壊・一部破損が2,274棟、床上・床下浸水が3,192棟となった(消防庁情報、令和7年11月14日現在)。

さらに、9月5日には、静岡県で風速約75m/sと推定される竜巻による突風災害が発生し、鉄骨系店舗の外壁材の飛散や電柱の折損等の被害が発生した。

(3)政府の対応

令和7年8月6日から12日にかけての大雨において、政府は、8月6日17時30分に情報連絡室を設置し、同時刻に関係省庁災害警戒会議を開催した。その後、8日5時に情報連絡室は官邸連絡室に改組され、11日14時に関係省庁災害対策会議を開催した。また、9月3日からの大雨においては、9月3日16時に情報連絡室を設置し、関係省庁災害警戒会議を開催した。

8月25日には、坂井内閣府特命担当大臣(防災)(当時)が熊本県及び鹿児島県の被災現場を、11月8日には、牧野防災庁設置準備担当大臣が静岡県の被災現場をそれぞれ視察した。

激甚災害の指定においては、令和7年8月5日から9月21日までの間の豪雨及び暴風雨による災害を一連の災害として、11月11日に公共土木施設の災害復旧事業等の特例など、7つの措置について、地域を限定しない「本激」として、中小企業の災害関係保証の特例について、熊本県玉東町を「局激」として指定政令の閣議決定を行い、同月14日に公布・施行された。当該期間を通じて、「災害救助法」については、8県34市町村に適用され、「被災者生活再建支援法」については、4県14市町に適用された。

坂井内閣府特命担当大臣(防災)(当時)による熊本県・鹿児島県の被災現場の視察
坂井内閣府特命担当大臣(防災)(当時)による熊本県・鹿児島県の被災現場の視察
牧野防災庁設置準備担当大臣による静岡県の被災現場の視察
牧野防災庁設置準備担当大臣による静岡県の被災現場の視察

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