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令和8年版 防災白書|第1部 第1章 第2節 2-12 防災庁の設置に向けた検討


2-12 防災庁の設置に向けた検討

世界有数の災害発生国である我が国において、千島海溝地震、日本海溝地震、首都直下地震、南海トラフ地震及び富士山噴火など国難級の災害が切迫するなか、人命・人権最優先の「防災立国」の実現が急務である。そういった国難級の災害に対しても、死傷者や避難者を大幅に低減させ、必要な国家・社会機能を維持するためには、これまでの災害対応や復旧・復興で培った知見や経験を踏まえ、政府の防災体制を抜本的に強化するとともに、災害対応に関する人的・物的リソースに限りがあることを念頭に、平時から事前防災を徹底し、社会全体で災害対応力を高め、最大限、効果的かつ効率的な対応をとることが必要であることから、令和6年11月に内閣官房に防災庁設置準備室が発足し、防災庁設置に向けた検討に本格着手した。

令和7年1月30日には、防災関係の専門家20名で構成される「防災庁設置準備アドバイザー会議」を立ち上げ、政府として強化すべき防災施策の方向性と、そのために必要な組織体制の在り方等について意見を聴取し、令和7年6月4日に取りまとめ報告書を公表した。

これを踏まえ、令和8年中に設置を目指す防災庁の必要性や機能、果たすべき役割、組織体制の在り方などが盛り込まれた「防災立国の推進に向けた基本方針」を令和7年12月26日に閣議決定した。本基本方針を踏まえ、防災庁は、我が国の防災全体を俯瞰的にとらえ、産官学民のあらゆる力を結集し、中長期的視点から我が国の防災の在り方を構想するとともに、徹底した事前防災と、発災時から復旧・復興までの一貫した災害対応の司令塔となる組織として、内閣府防災担当を発展的に改組し、予算や人員を従前より拡充した上で、内閣直下で尊重義務を伴う各府省への勧告権等を有する防災大臣を配置することで、関係機関が担う防災対策を強力に推進することとしている。

また、防災庁の地方機関については、当面、発生が切迫している「千島海溝地震、日本海溝地震」及び「南海トラフ地震」に対し、地域における事前防災の推進や、発災時の迅速な被災地支援体制の構築等の観点から、防災庁の地方機関の設置に向けた具体的な検討を行うこととしている。

今後、防災庁の業務遂行に必要となる所要の準備を行い、令和8年中に防災庁の設置を目指す。

そして、防災庁を中核とし、国、地方自治体、民間企業、業界団体、大学・研究機関、地域、NPO・NGO、ボランティアそして国民一人一人を含む多様な主体の総力を結集し、共に考え、共に備え、共に守り、共に未来を築いていくことで、「皆で共に創る防災立国」の実現を目指す。

【コラム】
社会的影響が特に深刻な大規模インフラ障害への対応

昨今、国内外において、サイバー攻撃やシステム障害等による電力、通信、交通等の主要インフラ障害事案が発生している。こうした主要インフラ障害が大規模かつ複合的に発生した場合には、国民生活や社会経済活動に深刻な影響を与える可能性がある。そこで、国及び地方公共団体、更には主要インフラ事業者においては、自然災害等への対応と併せて、社会的影響が特に深刻な大規模インフラ障害への対応についても平時から準備を進めておくことが重要である。

このような問題意識に基づき、令和7年2月に内閣官房、内閣府等の危機管理・災害対応府省や主要インフラ所管省庁等が構成員となって大規模インフラ障害への対応の基本的考え方について検討を行い、令和7年7月に検討結果を取りまとめて公表した。

大規模インフラ障害は、自然災害や事故災害とは異なる性格を持つと言えるものの、その発生している被害に着目すると、住民の避難の必要性などの社会的影響が生じ得るという意味において、自然災害や事故災害と同様の対応が必要であると評価することができる。したがって、取りまとめでは、大規模インフラ障害が一定期間以上継続することが見込まれる場合、「災害対策基本法」上の大規模な事故により生ずる被害に該当するため、「災害」として取り扱い、「災害対策基本法」等の関係法令に基づく対応を実施することを示した。

(参照:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/Infura_syougai/pdf/basic_concept.pdf

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(参照:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/Infura_syougai/pdf/guidance.pdf

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令和7年12月18日には、内閣官房・東京都の共催により、机上演習を実施した。演習では、首都圏で自然災害に起因しない大規模停電が発生したとの想定で、付随して生じ得る様々な被害やそれに対する必要な対応等について、政府・自治体・インフラ事業者等で整理・共有し、連携強化を図った。

(参照:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/Infura_syougai/pdf/ttx.pdf

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今後とも、大規模インフラ障害が発生した際に適切な対応がとれるよう、検討を進めていく。

小野田経済安全保障担当大臣・小池東京都知事による主催者挨拶
小野田経済安全保障担当大臣・小池東京都知事による主催者挨拶
机上演習の議論の様子
机上演習の議論の様子

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