1-12 男女共同参画の視点からの災害対応の取組強化
災害は全ての人の生活を脅かすが、性別や年齢、障害の有無などの違いにより受ける影響が異なることが知られている。災害に強い社会の実現のために、女性やこども、高齢者、障害がある方など、それぞれのニーズの違いを踏まえた災害対応を行うことにより、人々が災害から受ける影響を最小限にすることが重要である。内閣府では男女共同参画の視点からの防災・復興の取組を推進している。
男女共同参画の視点を取り入れた防災・復興体制の確立には、意思決定の場や災害の現場に女性が参画することが不可欠である。そこで「第6次男女共同参画基本計画」(令和8年3月13日閣議決定)において、都道府県・市町村防災会議における女性委員の割合を令和12年までに30%にすることや、災害対策本部の本部員に占める女性の割合の向上等を成果目標に掲げている(図表1-12-1及び図表1-12-2)。
目標達成の具体的な取組として、「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」(令和2年5月策定。以下本項において「ガイドライン」という。)に基づく地方公共団体の取組状況調査を実施し、公表に当たって、各団体の取組状況が一目で分かるよう「見える化マップ」を作成している。また、地方公共団体の首長や管理職を含む災害対応を担う職員に対し、ガイドラインを踏まえた研修を実施し、防災分野における女性の参画の必要性について意識の向上を図っている。
令和7年5月には、令和6年能登半島地震で対応に当たった被災自治体や応援自治体、民間団体等の平時の備えや発災後の対応、復旧・復興の取組等、ガイドラインに基づく対応状況を把握するための調査を実施し、今後の災害対応に向けた取組の方向や提言を取りまとめた報告書を公表した。
(参照:https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/notohanto_r7_research.html)

令和7年9月、上記調査で収集した好事例を踏まえ、「防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)2025」において「広げよう!女性の防災ネットワーク」と題したセッションを開催し、今後の災害対応において女性防災リーダーを育成する団体が平時からつながり、災害時に迅速に連携して支援を行うための課題や方向性について議論した。令和7年10月からは、女性防災リーダーの全国的なネットワーク構築を目的とした事業を開始し、平時の防災力向上や災害時の初動段階から男女共同参画の視点から支援活動を実践するための仕組みづくりに向けて取り組んでいる。
内閣府はこれからも男女共同参画の視点に立った取組を進め、地域の災害対応力の向上につなげていく。
- 地方防災会議委員のうち、「指定行政機関の長又はその指名する職員(1号委員)」の選定について、関係省庁に対し、弾力的な女性の登用を促す。
- 都道府県防災会議における女性委員の割合について、各都道府県に対して、女性の参画拡大に向けた取組を促進するよう要請する。また、女性委員のいない市町村防災会議の早期解消とともに、女性委員の割合を増大する取組を促進するため、都道府県と連携し、女性を積極的に登用している市町村の好事例の展開などを行う。
- 地方公共団体の災害対策本部について、女性職員や男女共同参画担当職員の配置、構成員となる男性職員に対する男女共同参画の視点からの取組に関する理解促進等が図られるよう、平時から働き掛けを行うとともに、発災時に、現地に国の職員を派遣することや、被災経験や支援実績のある男女共同参画センター等による協力を含め、支援の強化を進める。
- 女性防災リーダーや女性防災士等の育成及び育成した女性防災人材の活躍を支援する地方公共団体や民間団体等の事例を展開し、全国的な女性防災人材のネットワークの構築・拡大に向けた取組を促す。


