第2節 被害の概要
前節のとおり、1月1日に発生した本地震は多くの人命や家屋へ甚大な被害をもたらした。図表2-1は、「能登半島地震」の被害状況等について、阪神・淡路大震災、東日本大震災及び熊本地震と比較したものである。
(1)人的被害
本地震により多数の家屋倒壊が発生し、死者・行方不明者263名の被害をもたらした。死者は石川県1県に集中し、石川県輪島市112名(行方不明者3名)、珠洲市111名、穴水町20名、能登町9名、七尾市5名、志賀町2名、羽咋市1名の犠牲者が発生した(5月28日現在)。
警察庁情報(3月31日現在。石川県が発表した死者(災害関連死を除く。)のうち、警察が取り扱った228人を対象としたもの。)によると、死因の約4割が「圧死」、約2割が「窒息・呼吸不全」で、多くの人が倒壊した建物の下敷きとなったとみられる。また、寒さが影響して亡くなった「低体温症・凍死」が1割強と続いた。さらに、年代別では70代が62人と最多で、80代51人、90代27人が続き、70代以上が約6割を占めた。10歳未満は4人、10代が8人だった。
(2)建物被害
住家被害は、新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県の5県で発生し、全壊が8,459棟(石川県8,108棟、富山県245棟、新潟県106棟)、半壊・一部破損が115,324棟(石川県72,799棟、新潟県23,361棟、富山県18,555棟、福井県591棟、長野県18棟(一部破損のみ))、床上・床下浸水が25棟(新潟県14棟、石川県11棟)となり、被災地全体で計12万棟を超える住家被害が発生した(5月28日現在)。また、石川県における非住家被害は約2万6千棟とされている(5月28日現在1)。
1 石川県ホームページ「被害等の状況について(第135報)」
(参照:https://www.pref.ishikawa.lg.jp/saigai/documents/higaihou_135_0528_1400.pdf)
