令和6年版 防災白書|第2部 第3章 1 1-4 その他


1-4 その他

(1)国土強靱化の推進

内閣官房国土強靱化推進室においては、切迫する大規模災害が懸念される中、いかなる事態が発生しても人命を守り、行政・経済社会の重要機能に係る致命的損傷を回避すること等の事前防災・減災の考え方に立ち、政府横断的な国土強靱化(ナショナル・レジリエンス)への取組を推進するため、「国土強靱化基本計画」(平成30年12月14日閣議決定)や「国土強靱化年次計画2022」(令和4年6月21日国土強靱化推進本部決定)、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(令和2年12月11日閣議決定)に基づく取組を関係府省庁と連携して進めるとともに、地方公共団体や民間の取組促進を図った。

(2)実践的な防災行動推進事業経費

内閣府においては、「災害被害を軽減する国民運動の推進に関する基本方針」(平成18年4月21日中央防災会議決定)及び「災害被害を軽減する国民運動の具体化に向けた取組について」(平成18年12月13日中央防災会議専門調査会報告)に基づき、個人や家庭、地域、企業、団体等が日常的に減災のための行動と投資を息長く行う国民運動を展開した。

(令和4年度決算額 92百万円)

(3)災害ボランティア(多様な主体の)連携促進事業

内閣府においては、近い将来発生が危惧されている巨大災害等に備え、発災時にボランティア活動がより円滑かつ効果的に行われるよう、行政とボランティアの相互理解など、広く防災ボランティア活動に関する環境整備を図った。あわせて、ボランティアの連携を図るための相互交流・意見交換の場づくりや、行政及びボランティア関係者間の連携訓練などを実施した。また、避難生活支援を行うボランティア人材の育成等を進めるための「避難生活支援・防災人材育成エコシステム」構築に向けた調査・研究を実施した。

(令和4年度決算額 33百万円)

(4)社会全体としての事業継続体制の構築推進

内閣府においては、中央省庁における業務継続体制の確保のため、中央省庁業務継続ガイドラインの改定等を踏まえた有識者による省庁業務継続計画の評価等を行った。また、民間企業・団体の事業継続体制の構築及び災害リスクマネジメント力向上の取組推進のため、事業継続計画(BCP)の策定状況に関する実態調査等を行った。さらに、地方公共団体における業務継続体制の確保のため、感染症まん延下も想定した災害時の業務継続に関する調査等を行った。

(令和4年度決算額 32百万円)

(5)「物資調達・輸送調整等支援システム」の整備

内閣府においては、国と地方公共団体の間で物資の調達・輸送等に必要な情報を共有し、迅速かつ円滑な被災者への物資支援に資する「物資調達・輸送調整等支援システム」について、保守・運用体制を確保したほか、より確実な災害時対応が可能となるよう、機能強化を図った。

(令和4年度決算額 72百万円)

(6)地域防災力の向上推進

内閣府においては、「自助」・「共助」の精神に基づく地域コミュニティによる地域防災力の向上を推進するため、地区防災計画制度の普及啓発に向けた、地域における計画の作成支援を行った。

(7)被災者支援・復興対策の調査検討

内閣府においては、災害に係る住家被害認定業務実施体制の手引きや災害復興対策事例集等を改訂し、地方公共団体に周知した。また、災害からの復興を円滑かつ迅速に進めるための施策の検討及び関係機関との共有等を図った。

(令和4年度決算額 95百万円)

(8)特定地震防災対策施設(阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター)の運営に関する助成

内閣府においては、特定地震防災対策施設(阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター)において行われる、阪神・淡路大震災を始めとする国内外の地震災害関連資料の収集・保存・展示や情報発信などに要する経費の一部を補助し、当該事業の推進を図った。

(令和4年度決算額 251百万円)

(9)防災広報

内閣府においては、「災害対策基本法」(昭和36年法律第223号)に基づく防災白書の作成のほか、国民各層に対する防災に関する正確な知識を提供するため、災害発生時にも迅速に情報提供を行うホームページを運営管理し、さらに、防災施策をわかりやすく伝達するための広報誌「ぼうさい」を発行する等の防災広報を幅広く展開した。

(令和4年度決算額 14百万円)

(10)防災計画の充実のための取組推進

内閣府においては、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震等の大規模災害に関する基本計画の実効性の確保を図るため、関係機関・地方公共団体の防災計画に基づく取組事例、課題の収集整理・分析、課題解決のための方策の検討等を行った。

(令和4年度決算額 8百万円)

(11)災害対応業務標準化の推進

内閣府においては、災害対応に当たる地方公共団体等のニーズと民間企業等が持つ先進技術のマッチングや、効果的な活用事例の横展開等を行う場である「防災×テクノロジー官民連携プラットフォーム」(防テクPF)を運営したほか、マッチングの更なる創出等のため、地方公共団体等に対する支援を行った。

災害対応現場で情報を集約・地図化するISUTInformation Support Team)の実際の活動や訓練を通じて作成した地図について、各機関が災害対応で活用しやすくなるよう研修等を行った。

(令和4年度決算額 29百万円)

(12)被災者支援に関する総合的対策の推進

内閣府においては、要配慮者の避難の実効性を確保し、全国的な策定推進を図るため、個別避難計画の策定のモデル事業等を実施したほか、市町村が行う指定避難所等における良好な生活環境の確保に向けた取組に係る調査等を実施した。

(令和4年度決算額 49百万円)

(13)既存のクラウド型被災者支援システムへの個別避難計画等に関する機能実装等業務

内閣府においては、クラウド型被災者支援システムの開発により、平時からの個別避難計画の効果的・効率的な作成の支援や被災者支援手続の円滑化の検討等を行ったほか、システムに係る支援手続きの円滑化に関する検討等を行った。

(令和4年度決算額 110百万円)

(14)地域女性活躍推進交付金事業

内閣府においては、地域における女性の職業生活における活躍推進に資する取組と併せて実施する、地域防災において女性のリーダーシップを推進するための取組等を支援した。

(令和4年度決算額 789百万円の内数)

(15)地域における男女共同参画促進を支援するためのアドバイザー派遣事業

内閣府においては、女性視点での災害対応の強化を図るため、「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」等の地域における活用を図った。

(令和4年度決算額 1百万円の内数)

(16)防災分野における女性の参画促進事業

内閣府においては、内閣府男女共同参画局が実施するフォローアップ調査の結果を基に地方公共団体の取組を調査し、好事例を取りまとめて公表した。また、同好事例を周知・展開するため、自治体職員向け研修を実施した。

(令和4年度決算額 7百万円)

(17)大規模災害対策の推進

警察庁においては、大規模災害発生時における広域部隊派遣計画の策定・検討や災害に強い警察情報通信基盤等の整備を進めるとともに、災害発生時には警察用航空機(ヘリコプター)や通信衛星を利用した映像伝送等により現場情報を収集・伝達するなど、災害警備対策の強化を図った。

(令和4年度決算額 11,295百万円)

(18)道路交通情報の充実

警察庁及び国土交通省においては、高度化光ビーコンやETC2.0、交通情報板、道路情報板等を活用し、的確な道路交通情報の収集・提供を推進した。

また、警察庁においては、災害時における効果的な交通規制、避難路の確保等を行うため、都道府県公安委員会が収集する交通情報と民間事業者が保有するプローブ情報を融合して活用・提供するための広域交通管制システムを引き続き運用するなど、災害時の交通情報提供の充実を図った。

さらに、警察庁、総務省及び国土交通省においては、VICS(道路交通情報通信システム)を活用して提供される道路交通情報の充実に資する取組を推進した。

このほか、国土交通省においては、道路利用者の利便性を向上させるため、豪雨等による事前通行規制区間において実施する規制開始・解除の見通し情報の提供に努めた。

(令和4年度決算額 228百万円)

(19)無線局における災害対策

総務省においては、防災関係機関の無線局の免許、定期検査等に際し、免許人に対して、災害に対する保安対策、予備の無線設備と予備電源の装備や自家発電装置の設置等の停電対策及び非常災害時に備えた訓練の実施を行うよう引き続き指導した。

なお、総務省においては、電気通信事業者に対し、災害対応の重要拠点となる市町村役場等をカバーする移動体通信の基地局や固定通信の収容局における予備電源の長時間化について、少なくとも24時間停電対策等を求めている。

(20)災害情報自動集約ネットワークシステムの維持・運用

総務省においては、災害時等における電気通信設備の大規模な被災や輻輳が発生した場合において、被災状況の即時把握等、国・電気通信事業者間の効率的な情報共有を可能とするための災害情報自動集約ネットワークシステムを運用した。

(令和4年度決算額 9百万円)

(21)地域防災等のためのG空間情報の利活用推進(Lアラートの高度化等)

総務省においては、Lアラートと他の災害関連システムとの連携により、G空間情報と紐付いた情報を住民や行政機関へ提供が可能となるよう調査研究を実施し、災害情報の視覚化の推進を行った。

(令和4年度決算額 47百万円)

(22)テレワーク普及推進対策

総務省においては、災害時等の事業継続にも有効なテレワークについて、関係者と連携し、テレワーク月間等の普及啓発、専門家による無料相談事業の実施等の導入支援等を行った。

(令和4年度決算額 225百万円)

(23)防災拠点等における公衆無線LAN環境の整備促進

総務省においては、発災時に住民等が自治体等からの災害関連情報を確実かつ迅速に入手可能となるよう、防災拠点等に公衆無線LAN環境の整備を実施する地方公共団体等への支援を行った。

(令和4年度決算額 10百万円)

(24)「新たな日常」の定着に向けたケーブルテレビ光化による耐災害性強化事業

総務省においては、災害時に、放送により確実かつ安定的な情報伝達が確保されるよう、条件不利地域等に該当する地域におけるケーブルテレビネットワークの光化に要する費用の一部を支援した。

(令和4年度決算額 1,217百万円)

(25)全国瞬時警報システム(Jアラート)の安定運用

消防庁においては、弾道ミサイル情報や緊急地震速報、津波警報等の緊急情報を住民に瞬時に伝達するシステムであるJアラートについて、情報受信団体における常時良好な受信環境及び安定的な運用を確保するため、同システムの保守・管理を行った。

(令和4年度決算額 347百万円)

(26)地域防災計画の見直しの推進

消防庁においては、地域防災計画の見直しを推進するため、地域の実情に即した具体的かつ実践的な計画になるよう、地方公共団体に対し要請・助言等を行った。また、地域防災計画データベースの運用により、地方公共団体間の計画内容の比較・検証を通じたより適切な計画への見直しを支援し、防災体制の充実を推進した。

(27)緊急消防援助隊派遣体制の整備

消防庁においては、緊急消防援助隊の迅速・安全な出動及びより効果的な部隊運用を図るため、地域ブロック合同訓練の実施、機器の保守管理等を行った。

(令和4年度決算額 361百万円)

(28)緊急消防援助隊の機能強化

消防庁においては、近年、激甚化・頻発化する土砂・風水害、南海トラフ地震を始めとする切迫する大地震など、大規模な自然災害やNBC災害に備えるとともに、緊急消防援助隊の充実と即応体制の強化を図るため、国有財産等の無償使用制度(「消防組織法」(昭和22年法律第226号)第50条)を活用して、必要な車両及び資機材を整備した。

(令和4年度決算額 3,030百万円)

(29)消防団を中核とした地域防災力の充実強化

消防庁においては、地方公共団体による女性や若者等の入団を促進するために地域の企業や大学等と連携して消防団員を確保する取組の支援、消防団の装備・教育訓練の充実、自主防災組織の活性化の推進等により、地域防災力の充実強化を図った。

(令和4年度決算額 2,705百万円)

(30)救急業務の充実強化

消防庁においては、高齢化の進展等を背景とする救急需要の増大に対応し救命率を向上させるため、救急車の適正利用の推進や、救急業務の円滑な実施と質の向上など、救急業務を取り巻く諸課題への対応策について検討を行った。

(令和4年度決算額 104百万円)

(31)救助技術の高度化の推進

消防庁においては、複雑・多様化する消防の救助活動における課題を克服し、救助技術の高度化を図るため、救助技術の高度化等検討会、全国消防救助シンポジウムを開催し、救助隊員の救助技術・知識の向上を図った。

(令和4年度決算額 13百万円)

(32)市町村の消防の広域化及び消防の連携・協力の推進

消防庁においては、消防の広域化及び消防の連携・協力の取組を促進するため所要の地方財政措置を講じるとともに、「消防用車両出動シミュレーションシステム」の実用化に向けた改修や「消防広域化推進アドバイザー」の派遣等を行った。

(令和4年度決算額 20百万円)

(33)消防職団員の惨事ストレス対策

消防庁においては、消防職団員の惨事ストレス対策の充実強化を図るため、緊急時メンタルサポートチーム登録者のスキルアップや増員等に係る取組を行うほか、消防本部等における惨事ストレス対策の取組について、支援を行った。

(令和4年度決算額 0百万円)

(34)災害応急対応に係る業務継続体制の確立

消防庁においては、首都直下地震時等において本庁舎が被災した場合であっても、全国の被害情報の収集や緊急消防援助隊の出動指示等の災害応急対応業務を迅速かつ的確に実施するため、代替拠点における必要な設備・資機材等の整備を行った。

(令和4年度決算額 6百万円)

(35)地方公共団体等における災害対応能力の強化

消防庁においては、地方公共団体等における災害対応能力を強化するため、市町村長の災害危機管理対応力の向上を図ることを目的とした研修、市町村の業務継続計画(BCP)及び受援計画の策定支援や大規模災害時に首長を支援する「災害マネジメント総括支援員」等を対象とする研修、インターネットを活用して防災教育を行う防災・危機管理e-カレッジのコンテンツの更新等を行った。

(令和4年度決算額 31百万円)

(36)ドローンの活用推進

消防庁においては、災害時に各消防本部がドローンを安全かつ効果的に活用できるよう、消防職員を対象としたドローン運用アドバイザー育成研修と、アドバイザーによるドローン未導入消防本部等への普及啓発を推進した。

また、消防本部が災害対応ドローン(災害対応について標準的に備える必要のある機能を有したドローンをいう。)を整備する場合の機体等の調達経費について、地方財政措置を講じた。

(令和4年度決算額 5百万円)

(37)法務省における災害時の対処能力の維持

法務省においては、災害が発生し、庁舎・収容施設等が被災した場合に、法務省の業務を継続し、治安上の問題が生じないようにするため、庁舎・収容施設における防災・保安警備等の対処能力の維持を図った。

(令和4年度決算額 23百万円)

(38)法務省における大規模災害発生直後から必要不可欠な行政機能の確保

法務省においては、矯正施設からの被収容者の逃走による治安の悪化を防止するため、矯正施設の監視カメラ等の総合警備システム、デジタル無線機、非常用食料の更新整備を実施した。

(令和4年度決算額 6,767百万円)

(39)文教施設の防災対策の強化・推進

文部科学省においては、児童生徒等の安全を確保するため、非構造部材の耐震対策を進めるとともに、学校施設の防災機能の強化に関する検討等、総合的・計画的な防災対策を強化・推進した。

(令和4年度決算額 8百万円)

文部科学省においては、災害とも言える猛暑に起因する健康被害の発生状況等を踏まえ、早期にこどもたちの安全と健康を守るため、公立学校における空調設備の整備への支援を行った(後掲 第3章2-2(5))。

(令和4年度決算額 175,415百万円の内数)(内閣府で計上している沖縄分を含む)

(40)災害拠点病院等の活動支援

厚生労働省においては、以下の補助を行った。

  • 国が又は国が地方公共団体と連携して行う防災訓練等に参加・協力する災害拠点病院等の訓練参加費用
  • 災害時に被災地へ派遣された災害派遣医療チーム(DMAT)の活動費

(令和4年度決算額 114百万円)

(41)災害福祉支援ネットワーク構築推進等事業

厚生労働省においては、災害時において災害時要配慮者(高齢者・障害者等支援が必要な方々)に対し緊急的に対応を行えるよう、民間事業者、団体等の福祉支援ネットワークを構築する事業に対する補助を行った。

(令和4年度決算額 216,040百万円の内数)

(42)災害派遣医療チーム(DMAT)体制整備

厚生労働省においては、医師、看護師等に対し、DMAT隊員養成研修を実施した。また、DMATを統轄し、DMAT隊員の技能継続研修等を行うDMAT事務局の運営の補助を行った。

厚生労働省においては、災害時に被災地の医療に係る被害状況を把握し、迅速かつ的確な医療の確保を図るため、災害医療の専門家が速やかに被災地に入るためのヘリコプターのチャーター費用の補助を行った。

(令和4年度決算額 738百万円)

(43)独立行政法人国立病院機構における災害医療体制整備

独立行政法人国立病院機構においては、災害時の医療を確実に実施するため、初動医療班の派遣体制の整備等を行った。

(44)山村地域の防災・減災対策

農林水産省においては、山地災害による被害を軽減するため、治山施設の設置等のハード対策と併せて、地域における避難体制の整備等の取組と連携して、山地災害危険地区の位置情報を住民に提供する等のソフト対策を推進した。

(令和4年度決算額 6,410百万円の内数)

(45)防災情報ネットワークの整備

農林水産省においては、国営造成土地改良施設や農業用ため池の被災や地域の被災を未然に防止するため、防災上重要な水位等の観測データや災害時の緊急点検状況、被害状況をリアルタイムで行政機関、施設管理者等が共有できるシステム等の整備、保守運用を行った。

(令和4年度決算額 2,691百万円の内数) ※この他にデジタル庁一括計上分

(46)中小企業に対する事業継続力強化計画等の策定に関する支援

経済産業省においては、中小企業に対して、事業継続力強化計画等の自然災害等のリスクに備えるための計画の策定を支援した。

株式会社日本政策金融公庫においては、中小企業自らが策定した事業継続計画や、経済産業大臣が認定した事業継続力強化計画等に基づき防災に資する設備等の整備を行う者に対し、融資を行った。

(令和4年度決算額 17,593百万円の内数)

(47)石油備蓄事業補給金

経済産業省においては、石油精製業者等が所有するタンクを借上げ、経費相当額を補給金として支払い、ガソリン・軽油等の製品形態での国家石油備蓄の維持・管理を行った。

(令和4年度決算額 26,042百万円の内数)

(48)災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金

経済産業省においては、需要家側への燃料備蓄を促進し、災害時のエネルギー供給の安定化を図るため、避難所、多数の避難者が生じる施設等にLPガスタンクや石油製品タンク等を設置するために必要な経費の一部を支援した。

(令和4年度決算額 4,412百万円)

(49)災害時に備えた地域におけるエネルギー供給拠点の整備事業費

経済産業省においては、災害時の石油製品の安定供給体制を確保するため、サービスステーション(SS)の地下タンクの大型化に伴う入換、災害時に緊急車両等への優先給油を行う中核SSにおける自家発電設備の入換、SSの災害対応能力強化のための研修・訓練等に係る費用について支援した。

(令和4年度決算額 333百万円)

(50)石油ガス地域防災対応体制整備事業

経済産業省においては、災害時におけるLPガスの安定供給確保のため、中核充填所の新設・機能拡充や、災害時石油ガス供給連携計画を確実に実施していくための訓練に係る取組を支援した。

(令和4年度決算額 642百万円の内数)

(51)石油コンビナートの生産性向上及び強じん化推進事業

経済産業省においては、近年頻発化・激甚化している風水害等に備え、特別警報級の大雨・高潮等を想定した製油所等の排水設備の増強等、製油所等のレジリエンス強化を図るための企業の取組の支援を行った。

(令和4年度決算額 4,935百万円の内数)

(52)地籍整備の推進

国土交通省においては、事前防災や災害後の迅速な復旧・復興等に貢献する地籍調査を推進するとともに、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づき、土砂災害特別警戒区域等における地籍調査の実施を重点的に支援した。

(令和4年度決算額 8,719百万円 ※この他に防災・安全交付金及び社会資本整備総合交付金の内数)

(53)緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)による大規模災害時の対応体制の強化

国土交通省においては、大規模自然災害に際して、全国の地方整備局等の職員により組織する緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)により被災状況の把握や被害拡大防止に関する被災地方公共団体等の支援を行うとともに、被災地の早期復旧のための技術的支援を迅速に実施する体制の強化を推進した。

(54)土地分類基本調査の実施

国土交通省においては、土地の改変が進み不明確となっている土地本来の自然条件や改変状況等の情報を整備した上で、それを災害履歴等と組み合わせて分かりやすく提供する土地履歴調査を、国が実施する土地分類基本調査として実施した。

(令和4年度決算額 37百万円)

(55)平常時・災害時を問わない安全かつ円滑な物流等の確保

国土交通省においては、平常時・災害時を問わない安定的な輸送を確保するため、国土交通大臣が物流上重要な道路輸送網を「重要物流道路」として指定し、機能強化や重点支援を実施するとともに、災害時においては、迅速な救急救命活動や緊急支援物資の輸送などを支えるため、地方管理道路の災害復旧等を国が代行できる制度を活用し、道路啓開や災害復旧の迅速化を図った。

(56)災害に強い物流システムの構築

国土交通省においては、平成30年度に策定した「ラストマイルにおける支援物資輸送・拠点開設・運営ハンドブック」を改訂し、近年の災害対応における地方公共団体の取組の好事例及び新たな課題への対応策について整理を行った。また、大雨・大雪等の予見可能な災害に備えた荷主と物流事業者の連絡調整体制の在り方等に関するガイドラインを作成した。

(令和4年度決算額 9百万円)

(57)被災宅地危険度判定制度の整備

国土交通省においては、大地震等による宅地被害の発生状況を迅速かつ的確に把握し、二次災害の防止・軽減や早期復旧に資する被災宅地危険度判定について、引き続き、都道府県等と連携し、実施体制の整備を支援した。

(58)災害時の緊急情報収集・支援体制の充実強化

国土交通省においては、災害発生時に被害の早期把握及び被災地方公共団体等への支援を的確かつ円滑に行うため、必要となる資機材の維持・整備や、プッシュ型で支援できる人材の育成等、防災体制・機能の充実強化を図った。

(令和4年度決算額 21百万円)

(59)災害時における自転車の活用の推進

国土交通省においては、「第2次自転車活用推進計画」(令和3年5月28日閣議決定)に基づき、被災状況の把握や住民の避難等、災害時における自転車の活用の推進に関する課題や有用性について検討した。

(60)抜本的かつ総合的な防災・減災対策の推進

国土交通省においては、近年の気候変動の影響により激甚化・頻発化する水災害や切迫する大規模地震など、あらゆる自然災害から国民のいのちとくらしを守るため、6月に「再度災害の防止」と「初動対応の迅速化・適正化」を特に強化すべきテーマとして設定した、「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」を取りまとめ、同プロジェクトに基づき総力を挙げて防災・減災対策を推進した。

(61)海上輸送を活用した災害廃棄物の広域処理における港湾での円滑な対応

国土交通省においては、海上輸送を活用した災害廃棄物の広域処理において、港湾での取扱いに当たって生じる課題を整理し、それら課題の対応策及びその実効性を向上させるために必要となる関係者の体制及び役割分担等について、関係省庁及び関係民間団体等と連携して検討を進めるなど、連携体制の構築を進めた。

(62)災害時における被災地域の道路交通機能の確保

国土交通省においては、昨今の災害時交通マネジメントの事例も踏まえ、地域防災計画へ位置付けることで、災害発生時に速やかに実施体制に移行できるよう、全国各地で行政、学識経験者、交通事業者、経済団体等からなる体制の事前構築を推進した。

(63)港湾における災害情報収集等に関する対策の推進

国土交通省においては、衛星やドローン、カメラ等を活用して、港湾における災害関連情報の収集・集積を高度化し、災害発生時における迅速な港湾機能の復旧等の体制の構築を推進した。

(令和4年度決算額 311,853百万円の内数)

(64)空港BCPの実効性の強化

国土交通省においては、自然災害発生後、救急・救命活動や緊急物資輸送の拠点となる空港の機能をできるだけ速やかに確保するため、空港全体としての機能保持及び早期復旧に向けた目標時間や関係機関の役割分担等を明確化した空港BCPA2Advanced/Airport)-BCP)に基づき、災害時の対応を行った。また、空港BCPの実効性の強化を図るため訓練等を実施した。

(65)災害時における踏切道の的確な管理の推進

国土交通省においては、災害時の円滑な避難や緊急輸送を確保するため、「踏切道改良促進法」(昭和36年法律第195号)に基づき、災害時の管理の方法を定めるべき踏切道を指定し、鉄道事業者・道路管理者の連携による災害時の踏切優先開放等の措置の実施を促進した。

(66)電子国土基本図と防災地理情報による防災対策の推進

国土地理院においては、我が国の国土を表す地図の基本となる電子国土基本図や、火山周辺の地形等を詳細に表した火山基本図、土地の成り立ちや自然災害リスクの把握に役立つ地形分類情報等、防災対策の基礎となる情報の整備・更新を行った。

(令和4年度決算額 6,140百万円の内数)

(67)防災地理情報による防災教育支援の推進

国土地理院においては、洪水等の自然災害リスクの把握に役立つ地形分類情報や過去に起きた自然災害の教訓を後世に伝承するための自然災害伝承碑等の防災地理情報を活用し、地域防災力向上のための防災教育支援を行った。

(令和4年度決算額 4,938百万円の内数)

(68)災害発生時における浸水推定図等の作成

国土地理院においては、災害発生時における孤立者救助や洪水時の排水作業等の応急活動の迅速・効率化に資するため、被災状況に応じて、浸水推定図等の災害状況を表した図の作成を行った。

(69)訪日外国人旅行者への災害発生時における情報提供

台風や大雨の発生に際し、訪日外国人旅行者向けに14か国語で災害時情報を提供する観光庁監修のアプリ「Safety tips」や、日本政府観光局(JNTO)ウェブサイト、観光庁及びJNTOSNS公式アカウント等を活用して、災害発生時に訪日外国人旅行者に対し正確な情報発信を行った。

(70)予報、警報その他の情報の発表及び伝達

気象庁においては、避難指示等の判断等、地方公共団体等が行う災害応急対策や、国民の自主的防災行動に資するため、適時適切な予報、警報及び大雨警報・洪水警報の危険度分布等の防災気象情報を発表するとともに、防災関係機関等に伝達し、災害の防止・軽減に努めた。また、各種天気図や波浪、海流及び海氷の実況・予想図等について気象無線模写通報(無線ファクシミリ放送)等による提供を行った。

(71)気象庁による地域防災支援

気象庁においては、次の事業を実施した。

  • 地方公共団体への支援

全国各地の気象台が、平時から地方公共団体に対し防災気象情報の利活用を働きかけるとともに、災害時には、首長等へのホットラインの実施、TEC-FORCEの一員として活動するJETT(気象庁防災対応支援チーム)の派遣等により、地方公共団体の防災対応の支援を行った。

  • 気象防災アドバイザーの拡充

地方公共団体が行う平時における防災知識の普及や、災害時における避難情報の発令判断等を支援するため、気象・防災に関する専門的な知見を活かして地方公共団体で活動する気象防災アドバイザーの拡充を実施した。

(令和4年度決算額 20百万円)

(72)走錨事故防止対策の推進

海上保安庁においては、異常気象等時における大型船等の一定の船舶に対する湾外等の安全な海域への避難勧告や臨海部に立地する施設の周辺海域における錨泊制限等を実施するとともに、監視カメラ等の整備により海域監視体制の強化を図った。

(令和4年度決算額 1,042百万円)

(73)万全な災害廃棄物処理体制の構築

環境省においては、平時から災害時における生活ごみやし尿に加え、災害廃棄物の処理を適正かつ円滑・迅速に実施するため、国、地方公共団体、研究・専門機関、民間事業者等の連携を促進するなど、引き続き、地方公共団体レベル、地域ブロックレベル、全国レベルで重層的に廃棄物処理システムの強靱化を進めるとともに、新たに必要な連携方策の検討等を進めた。

(令和4年度決算額 725百万円)

(74)災害を想定したペットの適正飼養及び支援体制等強化推進

環境省においては、これまでに取りまとめたガイドライン等を活用し、市町村等の地方自治体と一般の家庭動物の飼い主に対してペットの災害対策を普及しつつ、都道府県等や関係民間団体と連携したウェブ会議等による災害対応訓練を実施した。

(令和4年度決算額 5百万円)

(75)浄化槽リノベーション推進事業費

環境省においては、浄化槽の長寿命化計画策定による計画的・効率的な更新、修繕等を実施するとともに、浄化槽台帳システムの普及による管理の高度化の検討を実施することで、国土強靱化及び災害対応力の強化を図った。

(令和4年度決算額 14百万円)

(76)気候変動による災害激甚化に係る適応の強化

(再掲 第2章1(20))。

(77)生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)の推進

環境省においては、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)の推進のため、かつての氾濫原や湿地等の再生による流域全体での遊水機能等の強化に向けた「生態系保全・再生ポテンシャルマップ」の作成・活用方策の手引きとその材料となる全国規模のベースマップを公開した。

(令和4年度決算額 41百万円)

(78)災害対処能力の向上経費

防衛省においては、災害対処拠点となる駐屯地・基地等の機能維持・強化のための耐震改修等を促進するなど各種災害への対処能力の向上を図った。

(令和4年度決算額 233,252百万円)

(79)防災情報のアーキテクチャ等の検討

デジタル庁においては、関係府省庁等と連携し、防災関係者間で共有すべき基本情報の設定等の検討も踏まえ、住民支援のための防災アプリ開発・利活用を支えるデータ連携基盤の構築に向け、防災情報の構造を整理したアーキテクチャ等の検討を行った。

(令和4年度決算額 6,179百万円の内数)

(80)地方公共団体等の防災業務のデジタル化の推進

デジタル庁においては、災害対応に係る地方公共団体等の現状を把握し、地方公共団体等が、デジタル技術を活用して、確実かつ迅速に災害対応を実施できる仕組みや被災者支援のための活動を効率化できる仕組みの検討を行った。

(令和4年度決算額 6,179百万円の内数)


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