令和6年版 防災白書|第1部 第1章 第4節 4-2 二国間等防災協力


4-2 二国間等防災協力

内閣府は国際機関を通じた取組に加え、海外からの防災を担当する閣僚級の訪問等の機会を通じて、防災政策の経験を共有するなど、世界各国の政府における防災担当部局との連携を深めている。

(1)日ASEAN防災閣僚級会合の開催を通じたASEANとの連携

「日ASEAN防災閣僚級会合」は日本とASEAN間の防災協力を一層強化するため、日本政府(内閣府)とASEAN加盟10ヶ国の防災担当部局により、令和3年10月に発足した。

令和5年10月12日に「第3回日ASEAN防災閣僚級会合」が初めて対面形式でベトナムにて開催され、堀井内閣府副大臣(当時)が共同議長として出席、令和4年に策定された「日ASEAN防災行動計画」の進捗状況を確認した。あわせて、令和5年は日ASEAN友好協力50周年・日越外交関係樹立50周年の節目に当たることから、これまでの防災協力の成果を確認する記念式典、及び我が国防災関連企業の対ASEAN進出を促進するための官民防災セミナーを国土交通省と連携して実施した。

ASEAN防災閣僚級会合・記念式典の様子
日ASEAN防災閣僚級会合・記念式典の様子
(2)内閣府と米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)との連携

米国連邦緊急事態管理庁(FEMAFederal Emergency Management Agency)とは、平成26年12月に締結された協力覚書に基づき、国際会議やビデオ会議等を通じて情報共有や意見交換を実施している。

(3)日韓防災会議の開催を通じた日韓の連携

平成10年10月の日韓首脳会談の際に取り交わされた「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップのための行動計画」に基づき、平成11年から毎年持ち回りで日韓防災会議を開催している。新型コロナウイルス感染症の影響等により平成28年以降開催されていなかったが、韓国側から再開に向けた意思表示があり、令和5年12月18日に開催に至った。会議では両国の災害管理にかかる優良事例について発表を行ったほか、同日に韓国の災害対応の拠点となる中央災難安全状況室の視察を行った。

日韓防災会議の様子
日韓防災会議の様子
(4)防災技術の海外展開に向けた官民連絡会(JIPAD)の活動

「防災技術の海外展開に向けた官民連絡会(JIPADJapan International Public-Private Association for Disaster Risk Reduction)」は、我が国が強みを有する防災技術やノウハウを、官民が一体となり積極的に海外展開していくことを目的に令和元年に設立されたものであり、令和6年3月現在で209企業・団体が会員となっている。

JIPADでは、我が国の防災政策・技術・ノウハウを一体的に紹介するとともに、官民ネットワークを構築し、防災協力関係を強化する「官民防災セミナー」を開催している。

令和5年10月には前述の「日ASEAN防災閣僚級会合」のサイトイベントとして、ベトナム(ハロン)にて、国土交通省と連携して日ASEAN官民防災セミナーを開催した。同セミナーの基調講演では、ベトナム堤防管理・防災局長より日越防災協働対話の実績について紹介があった。パネルディスカッションでは、国土交通省・ベトナム進出日系企業、同取引先の地方政府、ASEAN諸国代表等により、防災分野の官民連携の実践が討議された。その後実施したレセプションでは日本企業5社による自社製品や技術の紹介を実施、ASEAN加盟国、企業等約140人が出席した。

ASEAN官民防災セミナーの様子
日ASEAN官民防災セミナーの様子

その他にも、海外から防災行政幹部や担当官が訪日する機会を捉え、内閣府において官民防災セミナーを実施した。令和5年7月にはJICA研修で来日したフィジー防災関連機関、令和5年11月には地震対策の知見を学びに来日したカザフスタン・アルマティ副市長やJICA招へい事業で来日したフィリピン市民防衛局長官を対象に、内閣府から日本の災害対策の知見及びその日本での災害対策に欠かせない日本企業の貢献を紹介するとともにJIPAD企業・団体がプレゼンテーションを行い、その後参加者との意見交換を実施した。


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