2-8 災害時における船舶を活用した医療提供体制の整備の検討
病院船(災害時等において船内で医療活動を行うことを主要な機能とする船舶をいう。)に関しては、従来から政府において、調査研究や既存船舶を活用した実証訓練が実施されてきた。
令和3年には議員立法により「災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律」(令和3年法律第79号)が成立した。政府は、令和4年7月に内閣官房に船舶活用医療推進本部設立準備室を設置し、令和5年度においては関係府省連絡会議の開催、災害時に医療活動が可能な民間船舶及び医療モジュールを活用した実証訓練や、関係府省と医療関係団体が連携し、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震を想定して、自衛隊艦艇等を活用した災害医療活動の訓練の実施等を通じて、同法の施行に向け政府一体となって検討を進めた。
同法は、災害時等に備え、船舶を活用した医療提供体制の整備の推進を目的とするものであり、令和6年6月1日に施行された。同法は陸上医療との役割分担・連携協力や災害時等における医療の提供の用に主として供するための船舶の保有、人員の確保等を基本方針として挙げ、また、内閣に船舶活用医療推進本部を設置すること等を定めている。政府はこの基本方針に基づき、必要な法制上又は財政上の措置等を講じるとともに、整備推進計画を策定することとされている。
引き続き、これまでの政府の取組を活かしつつ、医療関係団体等の意見にも十分に耳を傾けながら、災害時における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に向けて取り組んでいく。