第6章 令和5年1月20日からの大雪等による災害
(1)概要
令和5年1月23日に複数の低気圧が日本付近を通過し、その後は25日にかけて、日本の上空に強い寒気が流入し、日本付近は強い冬型の気圧配置となった。25日にかけて西日本から北陸地方を中心に大雪となり、近畿地方や東海地方の平地など普段雪の少ない地域でも積雪となった。気象庁は、一時的に降雪が強まった岡山県に対し、「顕著な大雪に関する気象情報」を発表し、一層の警戒を呼びかけた。また、全国的に風が強まり、北日本では風速25メートル以上の非常に強い風を観測したほか、25日と26日の最低気温は南西諸島を除き全国的に氷点下となって、広い範囲で過去10年の最低気温に近い冷え込みとなった。その後も30日にかけて、冬型の気圧配置や日本海の低気圧の影響で北陸地方から山陰地方を中心に大雪となり、特に28日には、北陸地方に発達した雪雲が流れ込み、気象庁は、富山県に対し「顕著な大雪に関する気象情報」を発表した。
(2)被害状況
令和5年1月20日からの大雪等により、除雪作業中の事故等が発生し、死者は8名(北海道、青森県、秋田県、山形県、新潟県、京都府及び岡山県)、重傷者は35名、軽傷者は77名となった。住家被害は、一部破損が1棟、床下浸水が7棟であった(消防庁情報、令和5年2月2日現在)。
また、1月24日からの強い寒気等により水道管の凍結等で石川県を中心に最大14,385戸が断水し、降雪や強風に伴う倒木による断線等で、中国電力管内では鳥取県を中心に最大約3,100戸が停電するなど、ライフラインへの被害が発生した。さらに、北日本から西日本にかけて道路の通行止め、鉄道の運休、航空機・船舶の欠航等の交通障害が発生した。特に、新名神高速道路(四日市JCT~亀山西JCT、亀山JCT~甲賀土山IC)等において、大規模渋滞が発生した。このほか、JR西日本の山科駅~高槻駅間において15本、JR北海道の江別駅~豊幌駅間において3本の駅間停車が発生した。
(3)政府の対応
政府は、令和5年1月20日15時に官邸において情報連絡室を設置し、関係省庁災害警戒会議を開催した(23日までに計2回開催)。また、交通障害により、「災害救助法」については、鳥取県の1町に適用された。