第4章 令和4年台風第15号による災害
(1)概要
令和4年9月22日9時に日本の南で発生した令和4年台風第15号は、日本の南を北上し、近畿地方に接近した後、23日21時に紀伊半島の南で熱帯低気圧に変わり、24日9時に東海道沖で温帯低気圧に変わった。台風周辺の発達した雨雲により、東日本の太平洋側を中心に大雨となり、静岡県や愛知県では、23日夕方から24日明け方にかけて線状降水帯が発生し記録的な大雨となった。特に、静岡県では猛烈な雨が降り続き、記録的短時間大雨情報が多数発表された。また、複数の地点で24時間雨量が400ミリを超えて平年の9月の月降水量を上回り、観測史上1位の値を更新した。
(2)被害状況
令和4年台風第15号により、静岡県掛川市において土砂崩れによる被害が発生したほか、3県において県管理の28河川で氾濫し、浸水被害が発生した。これらにより、静岡県を中心に、死者は3名(静岡県)、重傷者は12名、軽傷者は4名となった。住家被害は、全壊が7棟、半壊・一部破損が3,704棟、床上・床下浸水が8,950棟となった(消防庁情報、令和5年3月24日現在)。
また、電気や水道等のライフライン、道路や鉄道等の交通インフラ等にも被害が発生し、特に静岡市では、取水口の閉塞等により、最大74,300戸で断水が発生した。
(3)政府の対応
政府は、令和4年9月22日16時30分に関係省庁災害警戒会議を開催した。また9月23日10時05分に官邸に情報連絡室を設置した。9月27日には星野内閣府副大臣及び本田厚生労働大臣政務官が静岡県の被害現場を視察した。
また、「災害救助法」については、静岡県の23市町に適用された。
激甚災害の指定については、前述の令和4年台風第14号による災害とともに、令和4年9月17日から同月24日までの間の暴風雨及び豪雨による災害として、令和4年10月28日に指定政令の閣議決定を行った。