3-3 火山災害対策
御嶽山噴火災害(平成26年9月)の教訓等を踏まえ、平成27年に改正された「活動火山対策特別措置法」(昭和48年法律第61号)では、火山災害警戒地域に指定された地方公共団体(23都道県、179市町村)は、火山地域の関係者で構成される「火山防災協議会」で検討された「火山単位の統一的な避難計画」に基づき、警戒避難体制の整備に関する具体的かつ詳細な事項を地域防災計画に定めることとしている。また、市町村が指定する集客施設や要配慮者が利用する施設(避難促進施設)の所有者等に対して、施設利用者の円滑な避難を確保するため、「避難確保計画」の作成や計画に基づく訓練の実施等を義務付けている。
しかしながら、実際に噴火を経験したことのある職員は限られており、また、火山ごとに想定される噴火の規模や地域の特性など様々な違いがあることから、計画の検討等に課題を抱える地方公共団体等も少なくない。このため内閣府では、計画検討の具体の手順や留意事項などを取りまとめた「手引き」の作成、地方公共団体等と協働での避難計画や避難確保計画の検討、協働検討で得られた知見や成果を反映した手引きの改定や取組事例集の作成を行うとともに、地方公共団体等で火山防災の主導的な役割を担った経験のある実務者を「火山防災エキスパート」として火山地域に派遣するなど、全国の火山防災対策の推進に取り組んでいる。
令和4年度には、地方公共団体における火山防災訓練の実施を促し、避難計画及び同計画に基づき策定された地域防災計画の検証や、住民等の火山防災意識を高めることを目的に、モデル地域における訓練の企画・実施を支援した。今後、地方公共団体との協働での検討を通じて得られた知見・成果について、「火山防災訓練事例集」としてとりまとめていく予定である。
また、「大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ」が令和2年に取りまとめた降灰の影響や対策の基本的な考え方等を踏まえ、引き続き、関係省庁、地方公共団体等と連携し、具体的な対策について検討を進めている。