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令和4年版 防災白書|特集 第3章 第4節 4-3 防災教育・周知啓発ワーキンググループ


4-3 防災教育・周知啓発ワーキンググループ

全ての国民が災害から自らの命を守るためには、災害時に国民一人ひとりが適切な行動をとることができるようになることが極めて重要である。このため、子どもの頃から必要な防災知識や主体的な防災行動を身に付けることができるよう、実践的な防災教育を全国に展開していく必要がある。また、災害から守られた命が災害後の避難生活等において災害関連死として失われることなく、被災者が尊厳ある避難生活を送ることができるようにするためには、国民の共助意識を周知啓発しながら、意欲ある災害ボランティアによる避難生活支援を充実し、避難生活を向上させる環境を整備していくことが有効である。

内閣府ではこうした課題を検討するため、防災教育・災害ボランティアに関して「防災教育・周知啓発ワーキンググループ」を開催し、その中で、充実させるべき防災教育の内容や効果、その防災教育内容の普及方法を検討する「防災教育チーム」と、地域の災害ボランティアが意欲を持って避難生活支援のスキルを向上させ、地域の避難所運営など避難生活の向上に活躍できる仕組みを検討する「災害ボランティアチーム」の2つのチームを立ち上げ検討を行った。各チームにおける検討結果を取りまとめた提言書を受けて、防災教育と災害ボランティアに関する取組を関係府省庁が連携・協議しながら推進していくこととした。

※防災教育・周知啓発ワーキンググループ(防災教育チーム)

(参照:https://www.bousai.go.jp/kaigirep/kyoikuWG.html

※防災教育・周知啓発ワーキンググループ(災害ボランティアチーム)

(参照:https://www.bousai.go.jp/kaigirep/wg/kyoikuWG_sgteam/kyoikuWG_sgteam.html)

(1)防災教育チーム

<1>提言の主な内容

防災教育を取り巻く学校や地域の実情や課題、実際に学校や地域で行われている防災教育の好事例などを把握した上で、全ての子どもが災害から命を守る能力を身に付けることができるよう、今後実現を目指すべき防災教育として、

  • 全ての小・中学校における地域の災害リスクや正常性バイアス等の必要な知識を教える実践的な防災教育や避難訓練の実施
  • 命を守ることを最重視した、想定外に対応できるようにする避難訓練
  • 災害を自分事として捉えるようにする防災教育
  • 主体的、内発的に避難する態度の育成や、防災教育を通した人への思いやりの心の育成

などが挙げられ、このような防災教育を実現するための方法として、

  • 防災教育・避難訓練の実施状況に関する定期的な調査による取組状況の見える化
  • 今後目指す防災教育についての教員向け及び教職課程向けの手引きや各種災害についてインパクトの強い教材など作成
  • 地域と学校が連携した防災教育の実施の推進
  • 防災教育への保護者の関心が高く、比較的柔軟な現場対応が可能な幼保段階の防災教育の充実や、幼保、小、中、高等学校とシームレスな防災教育の実施

などが提案された。さらに防災教育を通じて育まれる人間力や生きる力といった非認知能力、郷土愛や地域を担う意識など防災教育の持つ幅広い効果についても検討され、防災教育の意義や必要性について整理している。

(参照:https://www.bousai.go.jp/kaigirep/teigen/pdf/teigen_06.pdf

防災教育・周知啓発ワーキンググループ(防災教育チーム)提言の概要
防災教育・周知啓発ワーキンググループ(防災教育チーム)提言の概要
実践的な防災教育・避難訓練の事例
実践的な防災教育・避難訓練の事例

<2>提言を踏まえた対応

令和4年3月に閣議決定された「第3次学校安全の推進に関する計画」に本提言の内容が反映されるとともに、地域の災害リスクや正常性バイアス等の必要な知識を教える実践的な防災教育や避難訓練が実施されるように、今後目指すべき防災教育に係る教員等向けの手引きや地域と学校が連携した防災教育の推進に係る手引きの作成などに取り組んでいるところである。

(2)災害ボランティアチーム

<1>提言の主な内容

近年、自然災害が激甚化・頻発化しているとともに、平成28年熊本地震では災害関連死が8割を占めるなど、超高齢社会の我が国においては避難生活環境の向上が喫緊の課題である。

こうした状況の中、被災者支援の優れたスキルを持つ災害ボランティア・NPO等も現れてきており、被災地に駆けつけ避難生活支援を行い、避難所の機能や生活環境の向上に大きな役割を果たしている。しかし、そうしたNPO等は全国的にも少数であり、その活躍は必ずしも知られていない。加えて、そうしたNPO等に対する地方自治体や地域住民の理解も十分ではない。

また、大規模災害時には、避難所設置運営者である市町村は様々な業務を抱え、避難生活支援に十分なマンパワーを確保することが困難であり、災害対応の経験が乏しい職員は必ずしも十分な避難生活支援スキルを有していない。加えて、大規模災害時には、広域から災害ボランティアが集まることが困難であり、感染症等の影響により、地域外の災害ボランティアを受け入れることが困難となる事態も想定される。

こうした現状を踏まえつつ、避難生活支援を充実させ、避難生活環境を向上させていくには、市町村が避難者(住民)自身の主体的な避難所運営を促しつつ、避難生活を適切に支援できる有能な災害ボランティア・NPO等と連携・協働する体制を確立していくことが重要である。そしてそのためには、避難生活支援スキルの高い災害ボランティア人材を各地で増やしていく必要がある。

このため、提言においては、

  • 地域の災害ボランティア人材の発掘と、災害ボランティアの信頼と認知度を高める体系的なスキルアップ研修の仕組みを導入すること
  • 一定のスキルを持った災害ボランティア人材について、どの地域にどのような方がいるのかを把握して市町村・地域とマッチングし、活動の場を具体化すること
  • スキルを持った地域の災害ボランティア人材と市町村・地域住民の連携・協働による地域防災力の向上を図ること

を柱とする「避難生活支援・防災人材育成エコシステム」を構築することが提案された。この仕組みを導入することにより、避難生活支援において、行政、避難者(地域住民)、ボランティア等が協働する結果、個々の人材はスキルを向上させるとともに、地域では避難生活環境と地域防災力が向上するという相乗効果が生まれることが期待されている。

(参照:https://www.bousai.go.jp/kaigirep/teigen/pdf/teigen_07.pdf

防災教育・周知啓発ワーキンググループ(災害ボランティアチーム)提言の概要
防災教育・周知啓発ワーキンググループ(災害ボランティアチーム)提言の概要
避難生活支援・防災人材育成エコシステム
避難生活支援・防災人材育成エコシステム

<2>提言を踏まえた対応

「避難生活支援・防災人材育成エコシステム」の構築に向けて、令和3年10月に本提言の具体化のための検討会を立ち上げ、避難生活支援に精通されているNPOや有識者、地方公共団体や関係団体等の関係者の御意見を伺いながら、研修カリキュラム等の作成に取り組んでいる。令和4年度には、意欲のある都道府県においてモデル研修事業を実施するべく、検討を進めているところである。本提言の具体化を通じて、地域のボランティア人材と、地域防災力の向上を図り、避難所等の生活環境の向上を図っていくこととしている。

[コラム]
防災女子の会からの提言について

女性の視点に立った災害対応については、これまでも女性の避難所運営への参画や女性のニーズに配慮した支援物資の充実などが図られるとともに、国の取組の強化も行われてきた。一方、被災現場における女性への配慮が十分であるとは言えず、防災に関わる国・自治体の女性職員の数も非常に少ないのが現状である。このような状況を打破するため、令和2年12月に内閣府において、防災担当と男女共同参画局の女性職員による「防災女子の会」が立ち上がった。

防災女子の会では、資料の調査や自治体・NPOへのヒアリング、内閣府防災担当職員へのアンケート等を通して、女性の視点に立った防災を実現するための提言を取りまとめ、令和3年5月に小此木内閣府特命担当大臣(防災)(当時)に提言を手交した。

提言は2章で構成されている。第1章では、女性の視点に立った被災者支援を推進するため、内閣府男女共同参画局において取りまとめられた「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」の取組のうち、避難所における性暴力・DVの防止や地方防災会議や中央防災会議を始めとする防災計画作成の場への女性の参画等、特に重要であると考えられる施策を示すとともに、避難所運営に関する業務を整理している「避難所運営ガイドライン」についても修正を行うよう求めている。第2章では、女性の視点を組み込むための防災担当の体制強化に向けて、防災担当職員を取り巻く職場環境の改善を進め、国や自治体の防災を担う女性職員の割合を増やすとともに、男性職員も含む全ての防災担当職員が女性の視点に立った災害対策への理解を深めること、防災担当と男女共同参画担当が協力すること、多様な組織の防災人材がつながることが重要であると示している。

提言を踏まえ、政府としては避難所等における性暴力・DVの防止、地方防災会議の委員に占める女性の割合を高めることについて防災基本計画(令和3年5月25日中央防災会議決定)に追記したほか、中央防災会議及び防災対策実行会議において、女性委員の割合を33%(9名中3名)、女性専門委員の割合を56%(9名中5名)に引き上げた(閣僚委員を除く)。さらに、令和3年6月には内閣府特命担当大臣(防災)と内閣府特命担当大臣(男女共同参画)・女性活躍担当大臣が連名で、全国の自治体に対して、女性の視点からの防災・減災の推進についてのメッセージの発信も行った。

(参照:https://www.bousai.go.jp/kyoiku/joshi/index.html
https://www.bousai.go.jp/r30611message.html)


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