内閣府防災情報のページみんなで減災

内閣府ホーム > 内閣府の政策 > 防災情報のページ > 会議・検討会 > 防災白書 > 令和4年版 防災白書 > 令和4年版 防災白書|特集 第3章 第4節 4-1 デジタル・防災技術ワーキンググループ

令和4年版 防災白書|特集 第3章 第4節 4-1 デジタル・防災技術ワーキンググループ


第4節 防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言

近年、自然災害が激甚化、頻発化しているとともに、南海トラフ地震や首都直下地震等の巨大災害も切迫している。また、令和3年は平成28年熊本地震から5年、東日本大震災から10年、阪神・淡路大震災から四半世紀が経過した節目の年であることから、内閣府では令和2年12月にデジタル・防災技術、事前防災・複合災害、防災教育・周知啓発の3つの分野について、有識者や関係省庁の参画を得て、内閣府特命担当大臣(防災)の私的諮問機関又はナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会の下のワーキンググループを開催し、巨大な自然災害により失われる命を激減させていく新たな方策について検討を進めた。

各ワーキンググループの検討を踏まえ、令和3年5月25日にそれぞれの提言書が小此木内閣府特命担当大臣(防災)(当時)に手交された。

防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言に関する記者会見(内閣府資料)
防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言に関する記者会見(内閣府資料)
防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言
防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言

4-1 デジタル・防災技術ワーキンググループ

現在、人命にかかわる事前防災や被災後の人命救助に役立つ可能性があるデータの多くが散乱、埋没している状況にある。こうしたデータのデジタル化を推進し、データの解析により問題点の検出や解消を図るなど、先手を打つための意思決定を支援していく必要がある。

内閣府ではこうした課題を検討するため、「デジタル・防災技術ワーキンググループ」を開催し、その中で現在の技術では実現が困難であっても、今後の技術革新等を見据え、中長期(10年程度以上)の時間軸でデジタル・防災技術として目指すべき未来像を議論する「未来構想チーム」と、既に活用が進みつつある技術について中短期(5年程度)の時間軸で、実装を見据え、技術・制度両方の観点からの課題の洗い出しや改善の方向性を議論する「社会実装チーム」の2つのチームを立ち上げて検討を行った。各チームにおける検討結果を取りまとめた提言書を受けて、防災対策におけるデジタル化を進めるための各種取組を関係府省庁が連携・協議しながら推進していくこととした。

※デジタル・防災技術ワーキンググループ(未来構想チーム)

(参照:https://www.bousai.go.jp/kaigirep/digitalWG.html

※デジタル・防災技術ワーキンググループ(社会実装チーム)

(参照:https://www.bousai.go.jp/kaigirep/digitalWG2.html

(1)提言の主な内容

未来構想チームにおいては、

  • デジタルツインによる被災・対応シミュレーション
  • ドローンやセンサー等を活用した、空間・インフラ情報等のリアルタイムの収集と共有
  • 会議や行政手続をオンラインで完結可能とすること等を内容とする行政機関等のデジタル移転

などの事前防災や人命救助の場面における、デジタル化により実現可能な目指すべき到達点について提言がなされた。

また社会実装チームにおいては、

  • 災害時に必要となる情報項目や取得時間等の標準化
  • 自治体等の災害対応に関する個人情報の取扱いの整理
  • 関係機関が人手を介さず必要な情報を収集・分析・加工・共有することができる体制の整備

などの防災分野のデジタル化の問題点及びシステムの使い勝手や機能の向上、高度化の方向性について、提言がなされた。

※デジタル・防災技術ワーキンググループ(未来構想チーム)提言

(参照:https://www.bousai.go.jp/kaigirep/teigen/pdf/teigen_03.pdf

※デジタル・防災技術ワーキンググループ(社会実装チーム)提言

(参照:https://www.bousai.go.jp/kaigirep/teigen/pdf/teigen_04.pdf

デジタル・防災技術ワーキンググループ(未来構想チーム)提言の概要
デジタル・防災技術ワーキンググループ(未来構想チーム)提言の概要
デジタル・防災技術ワーキンググループ(社会実装チーム)提言の概要
デジタル・防災技術ワーキンググループ(社会実装チーム)提言の概要
防災デジタル情報・データ フロー図
防災デジタル情報・データ フロー図
(2)提言を踏まえた対応

<1>「防災IoT」データ(ドローンカメラ等)を活用した災害対応の高度化のための取組

災害現場においては、各種カメラや防災ヘリ等による状況確認に加え、ドローン等による空撮なども行われている。これらを含めた各種IoTによる膨大・多様なデータを、被災自治体を含めた各防災関係機関の間において適切に取得・共有するため、データ形式や使用する機器の規格等の、技術的な標準手法の整理に資する実態調査を進めている。

<2>防災分野における個人情報の取扱いに関する指針の策定のための取組

従来、自治体ごとの個人情報保護条例において、個人情報の取扱いの定めは様々であった(いわゆる「2,000 個問題」)が、デジタル改革関連法により共通ルールが定められ、個人情報の取扱いを一元的に監視監督する体制が構築される。これを契機とし、災害対応や平時の準備においても自治体等が個人情報を取り扱う際の活用範囲や留意点等をまとめた取扱指針を令和4年度中に策定するため、専門家による検討会を実施している。

※「デジタル社会形成基本法」(令和3年法律第35号)、「デジタル庁設置法」(令和3年法律第36号)、「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和3年法律第37号)、「公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律」(令和3年法律第38号)、「預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律」(令和3年法律第39号)及び「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」(令和3年法律第40号)

<3>総合防災情報システムの整備等

総合防災情報システムは、災害情報を地理空間として共有し、災害時における政府の迅速・的確な意思決定の支援を目的としたシステムであるが、更なる情報収集機能等の強化が必要不可欠である。令和6年度に運用開始予定の次期システムにおいては、国立研究開発法人防災科学技術研究所が研究開発の一環として運用しているSIP4D(Shared Information Platform for Disaster Management)等も含めたシステムの役割や在り方を再度整理した上で、利用対象機関の範囲拡大を検討すると共に、情報収集・分析・加工・共有等の機能の実現・強化をするため、災害時に必要となる情報項目や取得時間等の標準化を行いながら、地方公共団体等災害対応関係機関の意見も参考に、本システムのあるべき姿を検討している。


所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.