令和4年版 防災白書|特集 大規模災害から命を守るために


特集 大規模災害から命を守るために

我が国では近年、大規模な自然災害が相次いでいる。特に、平成28年(2016年)熊本地震(以下「平成28年熊本地震」という。)以降、平成30年7月豪雨、令和元年東日本台風、令和2年7月豪雨など、ここ数年はほぼ毎年のように大規模災害が発生しており、また、それらの災害を踏まえて、各種の法改正を始め、防災体制の一層の強化に取り組んできたところである。このような中、昨年も、令和3年7月1日からの大雨において、静岡県熱海市で大規模な土石流が発生し、多くの犠牲者が出る痛ましい災害となった。

これら一連の災害対応の中で再認識されたことは、「命を守る」ことの重要性である。家屋やインフラ等に対する被害の軽減や社会経済活動の維持ももちろん重要であるが、住民による適切な避難行動、そのために必要な防災情報の提供、災害発生後の迅速な人命救助、そして災害関連死を生まないための避難所の環境改善や新型コロナウイルス感染症対策などを通じて、かけがえのない命を災害から守り、そしてつないでいくことの重要性が改めて認識されたと言える。

このため、令和4年版防災白書の「特集」は、「大規模災害から命を守るために」をテーマとして、まず、令和3年度に発生した主な災害について、その被害状況、政府対応等を振り返る(第1章)。その上で、熱海市の土石流災害を契機として政府が取り組んでいる、盛土災害の防止、災害時における安否不明者の氏名等の公表、住民による適切な避難行動を確保するための方策について、一連の検討状況を概説する(第2章)。さらに、令和3年5月に施行された改正災害対策基本法(「災害対策基本法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第30号))において自治体の努力義務とされた避難行動要支援者の個別避難計画の作成に関する取組状況や、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震による被害想定の検討など、近年の防災体制強化に関する政府の取組状況を概説する(第3章)。


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