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令和2年版 防災白書|特集 第1章 第2節 2-2 被災者対策支援パッケージについて


2-2 被災者対策支援パッケージについて

(1)令和元年房総半島台風及び令和元年東日本台風等に対する復興支援

令和元年房総半島台風及び令和元年東日本台風をはじめとした一連の豪雨・暴風は、東北、関東甲信越を中心とした広範な地域において、電力や水道などのライフライン、収穫期を迎えた農業をはじめ地域の産業等に甚大な被害をもたらした(特集第1章第1節参照)。被災地では、多くの方々が避難生活を強いられ、不安な日々を過ごされたとともに、丹精込めて育てた作物が泥水にまみれ、店舗や工場、機械設備が浸水によって大きな被害を受け、多くの農林漁業者、中小・小規模事業者の方々が、事業再開への気力を失いかねない厳しい状況に直面した。

こうした状況を踏まえ、政府一体となって、復旧・復興に向けた取組を更に加速させていくべく、令和元年10月14日に開催された第2回非常災害対策本部の会議で、安倍内閣総理大臣より、台風第19号による被災者の生活支援を更にきめ細かく、迅速かつ強力に進めるため、被災者生活支援チームを設置するよう指示が出され、同月20日に開催された第10回非常災害対策本部の会議では、被災者生活支援チームを中心に、被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージを早急に取りまとめるよう、指示が出された。同年11月7日、政府は、令和元年房総半島台風及び令和元年東日本台風等に対し、被災地の生活と生業の再建に向け緊急に対応すべき施策として「被災者の生活と生業(なりわい)の再建に向けた対策パッケージ」をとりまとめた(参照:https://www.bousai.go.jp/kohou/oshirase/pdf/r1typhoon19_shien_package.pdf)。

本対策パッケージは、被災地のニーズや地域ごとの特性を踏まえつつ、(1)生活の再建、(2)生業の再建、(3)災害応急復旧、(4)災害救助等の4つの観点から施策を取りまとめ、被災者の安心感を確保するとともに、被災自治体が安心して復旧・復興に取り組めるよう、切れ目なく、財政措置等を講じていくこととしたものである。被災者のニーズに応じた住宅再建等や、中小企業や農林水産業等への支援、災害復旧や災害廃棄物の円滑な処理等の施策をとりまとめたとともに、被災自治体が財源に不安なく取り組めるよう、同年11月8日に約1,316億円の予備費の使用を閣議決定した。令和元年度予備費を活用するとともに、令和2年1月30日には、災害からの復旧・復興と安全・安心の確保に必要な経費約2兆3,086億円を含む令和元年度一般会計補正予算(第1号)が成立し、これより、インフラの復旧や生活・生業の再建に必要な措置を講じた。

このほか、令和元年10月29日には、令和元年東日本台風(台風第19号)について、平成28年熊本地震以来2例目となる「大規模災害からの復興に関する法律」に基づく非常災害として指定することを閣議決定した。これも踏まえ、被災自治体から要望があった河川3水系15河川、道路6か所において直轄権限代行による災害復旧事業に速やかに着手している。

令和元年度補正予算(第1号)の概要
令和元年度補正予算(第1号)の概要
被災者の生活と生業(なりわい)の再建に向けた対策パッケージ
被災者の生活と生業(なりわい)の再建に向けた対策パッケージ
[コラム]
早期の復旧に向けた災害復旧工事マネジメント

近年多発する地震や豪雨などの災害では公共土木施設に甚大な被害が生じる場合があるが、市町村の技術職員が年々減少していることや災害対応の経験の不足により、災害復旧事業の実施が困難であったり、時間を要したりすることが懸念されている。

令和元年東日本台風では、長野県下において広域にわたる多種多様な復旧工事が重層的に発生した。特に佐久地域においては、国、長野県、佐久市をはじめとした15団体に及ぶ多様な発注者により、道路、河川、橋梁、上下水道、農林道など600か所を超える様々な復旧工事の迅速かつ円滑な実施が求められた。このため、長野県、佐久市、公益財団法人長野県建設技術センター及び独立行政法人都市再生機構(UR)の4者において協定を締結、各主体の役割に応じた業務契約を行った上で、相互に調整を必要とするこれらの工事を効率的に執行し早期に完了させるため、発注者間や多種多様な復旧工事間の横断的な調整(以下「災害復旧工事マネジメント」という。)に取り組んでいる。

災害復旧工事マネジメントでは、工事の実施にあたり、発注者間や施工者間における連絡調整会議等にて課題の調整や解決を図り、復旧工事全体の円滑かつ迅速な実施を目指している。

平成29年3月に公表された有識者の提言※においても、地方公共団体の一連の災害復旧を支援する仕組みの整備について「災害復旧の実施方針の決定や災害査定申請書の作成、災害復旧工事の発注、監督・管理など、一貫して民間事業者等が地方公共団体を支援する仕組みを整備していくべき」とされており、今後の甚大な災害からの早期の復旧に向けて、上記のような「災害復旧工事マネジメント」の活用が期待される。

※「防災に関する市町村支援方策のあり方について 提言」(防災に関する市町村支援方策に関する有識者懇談会:国土交通省水管理・国土保全局防災課)。

災害復旧工事マネジメントの実施体制
災害復旧工事マネジメントの実施体制

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