平成30年版 防災白書|第1部 第2章 第4節 4-2 訓練実績の概要


4-2 訓練実績の概要

(1)迅速な初動体制の確立訓練

地震発生に伴い、国、地方公共団体及び原子力事業者において、それぞれの活動拠点における初動体制の確立に向け、要員を参集させ、自然災害及び発電所の状況等について情報収集を行った。また、TV会議システム等を活用して関係機関相互の連絡体制を強化し、事態の進展に備えた。

参集した要員による情報収集活動(オフサイトセンター)
参集した要員による情報収集活動(オフサイトセンター)
(2)中央と現地組織の連携による防護措置の実施方針等に係る意思決定訓練

事態の進展に伴い、官邸をはじめとする各拠点が連携して、住民避難等の防護措置を立案して意思決定を行った。全面緊急事態の発生を受けて「原子力緊急事態宣言」が行われるとともに、「原子力災害対策本部会議」を開催して、住民避難等の防護措置に関する取組等について確認し、政府の緊急事態応急対策に関する基本方針を決定した。

「原子力緊急事態宣言」時の様子(原子力規制庁緊急時対応センター)
「原子力緊急事態宣言」時の様子(原子力規制庁緊急時対応センター)
注)北朝鮮に係る事態への対応を優先するため、平成29年度の官邸での訓練は一部場所と参加者を変更し実施された。官邸において実施予定であった「原子力緊急事態宣言」及び「原子力災害対策本部会議」は、原子力規制庁緊急時対応センターにて行われ、安倍内閣総理大臣の代役を中川内閣府特命担当大臣(原子力防災)が務めた。
(3)住民避難等の実動訓練

施設敷地緊急事態及び全面緊急事態の発生を受けて、PAZ及びPAZに準じた防護措置を実施する地域内の住民について、地震、波浪の状況等を踏まえ、避難先の調整、輸送手段の確保等を行うとともに、安定ヨウ素剤の服用を行った上で避難、波浪により海路避難ができない場合の屋内退避等を実施した。また、放射性物質の放出を想定して、UPZ内住民の屋内退避を実施するとともに、その後の安定ヨウ素剤の緊急配布、一時移転、避難退域時検査等を実施した。各避難等については、陸上自衛隊及び福岡県警のヘリコプター映像伝送装置等を活用して実施状況を把握した。

海路による避難訓練の様子(唐津市)
海路による避難訓練の様子(唐津市)
安定ヨウ素剤の配布(佐世保市)
安定ヨウ素剤の配布(佐世保市)

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内閣府政策統括官(防災担当)

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