第2節 原子力規制委員会における原子力災害対策
東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、原子力規制行政に対する信頼の確保に向けた取組を継続的に行っていくことが極めて重要である。
原子力規制委員会は、原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守るという使命を果たすため、「独立した意思決定」、「実効ある行動」、「透明で開かれた組織」、「向上心と責任感」及び「緊急時即応」を組織理念として、様々な政策課題に取り組んでいる。
2-1 原子力災害対策に係る取組
原子力規制委員会では、最新の国際的知見を積極的に取り入れる等、防災計画の立案に使用する判断基準等が常に最適なものになるよう原子力災害対策指針の充実を図っており、平成29年3月22日には核燃料施設等に係る原子力災害対策を盛り込んだ指針を改正した。この指針改正に伴い、原子力事業者防災業務計画の作成・修正に際し協議が必要となる関係周辺都道府県知事の要件に関して、原子力災害対策特別措置法施行令を同年7月7日に改正(公布・施行)するとともに、当該改正の規定に基づき、対象となる都道府県を指定する告示を制定した。
また、実用発電用原子炉施設の緊急時活動レベル(以下「EAL」という。)の見直し及び核燃料施設等のEALの設定について、「緊急時活動レベルの見直し等への対応に係る会合」を3回開催して検討した。これを踏まえて平成29年7月5日に原子力災害対策指針と、併せて関係規則等を改正し、同年8月1日に公布、同年10月30日に施行した。(参照:http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/00000250.html)
原子力災害時における医療体制については、原子力災害拠点病院の指定促進の支援等、原子力災害時における医療体制の着実な整備を進めている。