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平成30年版 防災白書|第1部 第1章 第2節 2-10 指定緊急避難場所と指定避難所の確保


2-10 指定緊急避難場所と指定避難所の確保

「指定緊急避難場所」は、津波、洪水等による危険が切迫した状況において、住民等の生命の安全の確保を目的として住民等が緊急に避難する施設又は場所を位置付けるものであり、「指定避難所」は、避難した住民等を災害の危険性がなくなるまで必要な期間滞在させ、または災害により家に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させることを目的とした施設となっている。

東日本大震災時においては、避難場所と避難所が必ずしも明確に区別されておらず、そのことが被害拡大の一因ともなった。そのため、内閣府は平成25年に災害対策基本法を改正し、市町村長は指定緊急避難場所及び指定避難所を区別してあらかじめ指定し、その内容を住民に周知(公示)しなければならないこととした。平成29年4月1日現在の指定緊急避難場所の指定状況は図表2-10-1の通りとなっている。

図表2-10-1 指定緊急避難場所の指定状況
図表2-10-1 指定緊急避難場所の指定状況

内閣府は、総務省消防庁とともに、地方公共団体に対して指定緊急避難場所の速やかな指定等を促しているところである。また、災害の種類ごとに指定緊急避難場所を指定することとなっているため、避難者が明確に判断できるように制定した「災害種別避難誘導標識システム(JIS Z 9098)(平成28年3月)」による案内板等の整備(参照:https://www.bousai.go.jp/kyoiku/zukigo/index.html)について、早急に着手するように全国の地方公共団体に呼びかけている(図表2-10-2)。

災害種別避難誘導標識システムによる案内板の表示例
災害種別避難誘導標識システムによる案内板の表示例
図表2-10-2 避難場所等の図記号の標準化の取組
図表2-10-2 避難場所等の図記号の標準化の取組

また、平成29年4月1日現在の災害対策基本法第49条の7に基づく指定避難所の指定状況は図表2-10-3のとおりである。

図表2-10-3 指定避難所の指定状況
図表2-10-3 指定避難所の指定状況

近年の災害における状況等を受け、避難所の生活環境の確保に関する様々な問題や、避難所のトイレの改善に関する課題などが指摘された。災害時に避難所において不自由な生活を強いられる状況下においても、生活の質を向上させ、良好な生活環境の確保を図ることが重要と考えられる。このため、内閣府では、市町村における避難所や福祉避難所の指定の推進、避難所のトイレの改善、要配慮者への支援体制や相談対応の整備等に係る課題について幅広く検討し、必要な対策を講じていくため、平成27年7月以降「避難所の確保と質の向上に関する検討会」を開催し、検討を重ねてきた。

本検討会での議論を踏まえ、熊本地震の本震の翌日に「避難所における良好な生活環境の確保に関する取組指針(平成25年8月内閣府策定・公表)」の一部改訂を行い、同時に、本取組指針を受けるものとして、「避難所運営ガイドライン」、「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」、「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」の3つのガイドラインを公表した(図表2-10-4)。

しかしながら、平成28年4月14日に発生した熊本地震においては、必ずしも適切な避難所運営が行われなかった側面も指摘された。そのため、平成29年度においては、より円滑な避難所の運営に資するため、避難所運営ガイドライン等を補完するものとして、「平成28年度避難所における被災者支援に関する事例等報告書」を作成して公表した(図表2-10-4)。

(参照:https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/

図表2-10-4 避難所に関するガイドライン等について
図表2-10-4 避難所に関するガイドライン等について
【コラム】
Lアラート(災害情報共有システム)

東日本大震災等の経験を踏まえ、複数の伝達手段の組合せにより、災害時に必要となる情報が住民に迅速かつ確実に届く環境を整備することが重要となっている。そのため、総務省では、災害発生時に、地方公共団体・ライフライン事業者等が放送局・アプリ事業者等の多様なメディアを通じて地域住民等に対して必要な情報を迅速かつ確実に伝達することができるよう「Lアラート(災害情報共有システム)」の全国普及及びその高度化に向けた取組を推進している。

(1)Lアラートの普及啓発

Lアラートの意義や正しい使い方を啓発するため、地方公共団体職員(主に市町村職員等)等利用者を対象に地域単位の連絡会の開催、合同訓練や研修を定期的に実施。

(2)Lアラートの高度化

地域住民に加えて、その土地に詳しくない者であっても、災害関連情報を迅速に把握し、円滑な避難行動をとることができるようにするため、地方公共団体が発信する避難勧告・指示等を地図化し、Lアラートを介して配信するシステムの標準仕様策定や、Lアラートとカーナビやサイネージ(ディスプレイ等の電子的な表示機器を使って情報を発信するシステム)等との連携実現に必要な実証実験等を実施。

Lアラート(災害情報共有システム)の概要
Lアラート(災害情報共有システム)の概要

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内閣府政策統括官(防災担当)

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