平成30年版 防災白書|第1部 第1章 第1節 1-3 防災訓練の取組


1-3 防災訓練の取組

災害発生時には、国の行政機関、地方公共団体、指定公共機関等の防災関係機関が一体となって、住民と連携した適切な対応をとることが求められることから、平時より、関係機関が連携した訓練等、防災への取組を行うことが重要である。このため、防災関係機関は、災害対策基本法、防災基本計画その他の各種規程等に基づき、災害発生時の応急対策に関する検証・確認と住民の防災意識の向上を目的として、防災訓練を実施することとされている。

平成29年度は、防災訓練実施に当たっての基本方針や政府における総合防災訓練等について定めた「平成29年度総合防災訓練大綱」に基づき、以下のような各種訓練を実施した。

(1)「防災の日」総合防災訓練

平成29年9月1日、「防災の日」に、首都直下地震発生直後を想定した訓練を行った。まず、安倍内閣総理大臣を始めとする全閣僚が徒歩で官邸に参集し、全閣僚が参加する緊急災害対策本部(東日本大震災のような著しく異常かつ激甚な非常災害が発生した場合に設置される災害対策本部)の会議を開催した。同会議では、黒岩神奈川県知事とのテレビ会議を通じた被害状況や支援要請の把握、各閣僚からの被害・対応状況の報告、人命最優先での対応方針の確認や政府調査団の派遣、現地対策本部の設置等を行うなど、地方公共団体等と連携しながら、地震発生直後の応急対策の実施体制の確保、手順確認等を実施した。また、同会議の一部を報道機関へ公開した。会議終了後には、安倍内閣総理大臣が記者会見を行い、NHK中継を通じて国民へ協力を呼びかけるとともに、政府の初動対応について発信を行った。

また、同日は、神奈川県小田原市を主会場とする九都県市合同防災訓練も行われており、安倍内閣総理大臣は官邸からヘリコプターで訓練会場へ移動し、地元看護学校の学生と共に屋内消火栓を使用した放水訓練に参加した。その後、自衛隊、在日米軍、米国赤十字社、DMAT(災害派遣医療チーム)などが連携した現地救護所設置・運営訓練や消防、警察、自衛隊や国土交通省関東地方整備局及び周辺都県市から派遣された部隊等が参加した救出救助訓練等を視察した。

政府本部運営訓練においてテレビ会議で被害状況等の把握を行う様子
政府本部運営訓練においてテレビ会議で被害状況等の把握を行う様子
放水訓練に参加する安倍内閣総理大臣
放水訓練に参加する安倍内閣総理大臣
(2)政府図上訓練

平成29年6月、11月に南海トラフ地震を、平成30年1月に首都直下地震をそれぞれ想定し、関係府省庁職員の知識・練度の向上を目的とした図上訓練を実施した。実際の災害に近い状況を模擬した上で、事前に訓練のシナリオを訓練参加者に知らせない実践的な訓練を実施した。また、これらの訓練を踏まえ、計画やマニュアルに規定された応急対策の有効性の検証を行った。

緊急災害対策本部事務局班長会議(南海トラフ地震を想定した訓練)
緊急災害対策本部事務局班長会議(南海トラフ地震を想定した訓練)
班長から班員への作業指示(首都直下地震を想定した訓練)
班長から班員への作業指示(首都直下地震を想定した訓練)

地域ブロック毎の訓練では、被災が想定される都府県等と連携し、平成29年6月に中部(愛知県)、同年7月に近畿(大阪府)、同年11月に四国(香川県)において南海トラフ地震を想定した緊急災害現地対策本部運営訓練を実施するとともに、平成30年1月に関東(東京都)において、首都直下地震を想定した緊急災害現地対策本部運営訓練を実施した。

緊急災害現地対策本部運営訓練の様子
緊急災害現地対策本部運営訓練の様子
東京緊急災害現地対策本部長として指揮するあかま内閣府副大臣
東京緊急災害現地対策本部長として指揮するあかま内閣府副大臣

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