2-5 会議のフォローアップ
仙台防災枠組の推進のための国際防災協力については、第3章で詳述するが、枠組の進捗に関するグローバルな進捗管理や、今回明確に位置づけられた「よい良い復興」の推進に関して必要な取組について述べる。
(1)会議成果の実施とフォローアップ
仙台防災枠組の推進には、その達成状況を適切にフォローアップする仕組みが重要であり、今回新たに設けられた7つのグローバルターゲット(global targets)のモニタリングやその手法の改善、新たに設けられた優先行動の進捗を計る指標の開発が課題である。そのため、これらの取組も含め国連ISDRの活動への支援や、併せて、こうした取組に資する国際的な災害統計手法の整備が必要である。
また、政府としては、国連防災世界会議のフォローアップとして、山谷議長が閉会式で提案したとおり、国連において11月5日を「世界津波の日」として制定することを目指して、各国の理解と賛同を得るべく働きかけている。
(2)「より良い復興」の普及に向けた国際協力の推進(IRP活動への支援)
2005年の第2回国連防災世界会議の際には、開催地である兵庫県の阪神・淡路大震災からの復興の取組も活かし、災害後の復興に関する様々な知見を集約・発信する国際復興支援プラットフォーム(IRP)(第3章において詳細を記述)を立ち上げた。
第3回国連防災世界会議についても、東日本大震災から4年経過したタイミングで、被災地の東北・仙台で開催し、世界各国からの参加者に対し、同震災からの復興の現状や取組を発信したところである。本会議が終了した後も、その熱気を絶やさず、同震災からの復興の進捗や「より良い復興」に向けた取組を継続的に国際社会に発信し、普及していくことが重要である。そのために、IRPがこれまで培ってきたスキームを活かしつつ、これら優良事例の収集・発信、復興人材育成などの活動を仙台・東北の地で展開するとともに、そのための体制づくりの強化が必要である。
【国連ISDRウェブサイト等より抜粋】
- こういうイベントはとても重要だ。世界会議で行われている交渉は外交官同士による政府間のプロセスであるものの、この場に来て、被災者の痛みとリスク削減に向けた行動力を感じることは必要だと思う。行動とは、人が行動すると決意しているからこそ、示されるものなのだ。
(インドとミャンマーで活動する防災NGOメンバー)
- 地域の人々が自らの経験を互いに話し合い、また世界の人々に向けて発信するいい機会だと思う。
(日本 地方自治体職員)
- 国連防災世界会議は、地域と国際社会が互いに話を聞き合う非常に貴重な機会を提供している。日本は、災害リスク削減及びより良い復興(ビルド・バック・ベター)のための革新の最先端にいる。また、消防隊が子供向けの活動を行うなど、ここでは本当に素晴らしいことが行われている。防災は、楽しみながら取り組めることでもあるのだ。
(国際機関職員)
- この会議には大きな野心をもって臨み、会議に参画し、高いレベルからも認識してもらえた。100ものフォーラムに行くことができ、また若者が勇気をもらえる。世界会議が特徴的であるのは、若者が参加し、特定の分野について、いかに新たな防災枠組に貢献できるかを語ることができたという点にある。とても前向きな気持ちで帰ることができる。我々の声がきちんと聞き入れられた。
(若者と防災に関するネットワークNGOメンバー)
- 災害リスク削減はすべての人が関与すべきことである。仙台で開かれた国連防災世界会議を、未来の希望にあふれた世代のため、我々世界のリーダーが災害への強靱性の新たな方向性を示す機会としようではないか。
(バヌアツ共和国大統領)
【ゲオルギエヴァ欧州委員会副委員長 Twitterより引用】
- イベントを成功させたいですか? ぜひ日本で開催を! WCDRR(国連防災世界会議)のように、大きなことから小さなことまで気の利く完璧なホストです。