平成27年版 防災白書|特集 第2章 第1節 1-2 国内を中心とした準備


1-2 国内を中心とした準備

世界会議の開催に向けて、新たな防災枠組への我が国としての提案、東日本大震災からの復興の現状、教訓等の我が国の知見の発信等の検討を行うため、学識経験者、防災関係機関、東北被災自治体等によって構成する「第3回国連防災世界会議に係る国内準備会合」(座長:大西隆東京大学名誉教授・日本学術会議会長)を平成26年2月より、5回にわたり開催した。議論の成果を生かし、日本政府は、ジュネーブにおける政府間準備会合等において新たな防災枠組に関する提案を行い、事前の防災投資、より良い復興、多様な主体の参画を得た防災体制の整備などが成果文書に位置づけられた。

地元仙台市では、仙台市、東北大学、地元経済界、日本政府、東北6県、関係団体等からなる「第3回国連防災世界会議仙台開催実行委員会」を開催し、本体会議の開催支援、関連事業、歓迎事業、仙台・東北地域の魅力発信事業や東日本大震災の経験や教訓の発信、官民の力を結集した取組などの実施に向けた検討を行った。

また、関連イベントとして、防災・復興における女性の参画とリーダーシップに関するシンポジウム、日本学術会議による防災・減災に関する会議、阪神・淡路大震災20年事業として国際復興フォーラムなどが開催され、第3回国連防災世界会議に向けた議論を行った。さらに、内閣府及び外務省は、シンポジウム「マルチセクターの防災」を2015防災会議日本CSOネットワーク(JCC2015:Japan CSO Coalition for 2015 WCDRR)と共催し、市民社会からの意見も聴取した。

第3回国連防災世界会議公式ロゴ第3回国連防災世界会議公式ロゴ
第3回国連防災世界会議に向けた我が国の学術界の取組

平成26年11月には、「東日本大震災・阪神淡路大震災等の経験を国際的にどう活かすか」というテーマで、我が国の防災・減災に関連する30の諸学会(30学会)が共同してフォーラムを開催し、世界の防災・減災に向けた共同声明を発表した。

30学会のシンボルマーク30学会のシンボルマーク

また、平成27年1月には、日本学術会議が「防災・減災に関する国際研究のための東京会議」を開催し、第3回国連防災世界会議に参加する世界の指導者とトップクラスの研究者を招聘して、防災・減災と持続可能な開発の双方を達成する防災・減災科学技術のあり方を議論し、同世界会議に向けた「東京宣言」を採択した。

(東京宣言の概要)

  • 基本認識(災害の増加・複雑化、科学技術の防災への適用は不十分、防災と持続可能な開発の統合の必要性)
  • 今後の方向性(政策決定者への科学的知識の普及、国家防災体制による科学技術の適用、地球環境科学と全地球観測の協調)
  • 推奨される取組(災害データ収集・分析の共通化、ハザード別の定量的な被害評価の推進、科学的知見に基づく優良事例の共有)
  • 具体イニシアティブ(根拠に基づいた防災対策の実施体制の強化、新たなリスクの予測と「見える」化の促進、関係機関の協働、国際的なネットワークの形成)

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内閣府政策統括官(防災担当)

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