1-2 第1回国連防災世界会議の開催と横浜戦略の推進
平成6年(1994年)に、我が国の横浜市において第1回の「国連防災世界会議」が開催された。本会議は、「国際防災の10年」の中間年において、それまでの国際社会の取組状況を評価し、後半の期間、さらにはその後の世界の防災取組のガイドラインを作成することが目的であり、会議の成果文書として、「より安全な世界に向けての横浜戦略とその行動計画」(Yokohama Strategy and Plan of Action for a Safer World:Guidelines for Natural Disaster Prevention, Preparedness and Mitigation)(以下、「横浜戦略」)を採択した。
横浜戦略は、「持続可能な経済成長は、災害に強い社会の構築と事前の準備による被害軽減なくしては達成できない」との基本認識、リスクアセスメントや災害予防、応急対応準備にかかる原則、西暦2000年及びそれ以降のための戦略、各レベルでの行動計画等を定めている。
横浜戦略では、各国における防災部局の設置や地域レベルの協力体制の確立を呼びかけており、その成果として設立されたのが、我が国の兵庫県神戸市にある「アジア防災センター」である。
同センターは、平成7年(1995年)に発生した阪神・淡路大震災の教訓をはじめ、我が国の災害教訓をアジア地域と共有するため、アジア各国との閣僚級会合、専門家会合による検討を経て、平成10年7月に、兵庫県神戸市に設立されている。
アジア地域については、人的被害、経済被害ともに、世界の災害被害のおよそ半分を占めており、地震、津波、台風など共通の災害の経験を共有しながら、防災協力を行っていくことが重要である。